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2023.11.22

上田桃子・57回目の挑戦 テーマは『ディティール』 

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)

 出場40人、誰もが有終の美を飾りたい。とりわけ、公式競技になれば、決まってクローズアップされるのは上田桃子だろう。57試合目の公式競技。今大会は14回目の出場だ。しかし、不思議と縁遠いのだ。だから、勝ちたい-勝たなければ-となるのだが、そんな欲望をしっかりと心の奥へ閉じ込め、意欲的に最終調整を行っていた。

 「調子は良くもない。かといって悪くもない」。まさにちょうどいい塩梅といったところだろうか。この日、最も目を引いたのはグリーン上だった。「ショットは前週と変わらない。やることは変えてはいません。ただ、今回は高麗グリーン。しっかりヒットすることを心がけている。そのためには、いいアドレスをとらなければいけません」。足元をしっかりと固めるなど、基本を徹底した。テクニックはすべて基本の応用にある。

 その上で、最終戦へ臨む心情を淡々と語った。「今年は、優勝できていない。だから、勝ちたいなぁという気持ちが強い。しかも、メジャーだって優勝したい。そんなふたつの気持ちがある」と言葉を区切り、「成績を考えることは邪念にもなる。ましてや、コースは独特のグリーンです。負けたくない。そのためには、負けないストロークを最後まで続けるしかありません。そういう気持ちです。結果よりも、ディティール(細部)を大事にプレーできればいいなぁ」。

 そして、「今、ツアーは本当に選手層が厚い。従来は、ポーンといいスコアを出すと逃げ切れる展開がある感じもしたけど、そんなことがなかなかありません。求められるのは4日間、いいスコアを出し続ける。そうでなければ優勝はできない。安定性ですね」と説明を加えている。となれば、よけいに基本へ立ち返ることが必要だ。「第1打をフェアウエイへしっかりと。難しいアプローチも残らないようにもしないといけない」。

 23年のラストチャンスに賭ける。経験はすでに十分-。

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