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2024.4.5

逆境でこそ粘り強さ発揮-上田桃子、左手首痛も寒さもはねのけ首位タイ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)第1日

 上田桃子は逆境に陥るほど、粘り強さを発揮する。今季は開幕からずっと左手首痛を抱えている。この日はさらに最高気温が10度を下回る4月とは思えない寒さと、グリーンのアンジュレーション(傾斜)がきつい難コースが追い打ちをかけた。

 それでも5バーディー・ノーボギーの隙のないゴルフを展開し、佐久間朱莉と並び首位で第2日に臨むことになったのは、プロ20年目のキャリアに裏打ちされた高度な技術があればこそだ。

 高低差のある2段グリーンでも「結果的に、いい位置からバーディーパットを打てる場面が多かったです。絶対に同じ面から打ちたいホールでは、(アプローチでボールを)しっかり同じ面に置くことができました。一方で、同じ面から打とうとして攻めすぎてしまうと、アプローチも寄らないような難しいラインになってしまうホールが結構ありますから、そのあたりのマネジメントがうまくいったのだと思います」と理路整然と説明した。

 前夜には左手首の痛みが増した。「しっかりケアをしてもらって、今日はだいぶ和らぎました」と言うが、「寒さで(患部が)固くなっている感じがしたので、省エネ、省エネと自分に言い聞かせて、クラブをあまり振らない感じに抑えました」と明かす。

 「前半は自分が思っていたよりも、飛距離が出ませんでした。寒さと手首の痛みのうち、どちらか一方だけだったら、もっと迷ったかもしれません。でも、寒い上に手首も痛かったので、逆に割り切って、ひと番手くらい上げて臨みました」と笑顔さえのぞかせた。体調が悪ければ悪いなりに、気候やコースの条件が厳しければ厳しいなりに、ベストのスコアに持っていける調整能力は驚異的だ。

 2年前のこの大会、このコースでJLPGAツアー通算16勝目を挙げたのを最後に、優勝から遠ざかっている。「こういう難しいコースに来ると、マネジメントをしっかりやろうというモードに入ります。得意という感じは全くありませんが、より頭を使い丁寧にゴルフをしようとする分、結果がいいのかもしれませんね」と自己分析する。

 経験と頭脳を駆使してクラブを振り続ける上田に、勝利の女神はもう1度優勝カップをもたらすだろうか。

(宮脇 広久)

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