2024.5.16
“ルーキー”髙木優奈が挑むツアー初Vへの道
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ブリヂストンレディスオープン 袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)第1日
昨年、6回目にして最終プロテストを突破した“新人”の髙木優奈が、暫定ながら単独3位の好スタートを切った。「フィニッシュまでしっかりとクラブを振り切れるようになり、アイアンショットの縦距離が合っていたのが、好スコアの要因だと思います」。なんと6バーディー、ノーボギーの66をマーク。首位とはわずか1打差だ。
前週まで3週連続で予選落ちしていた髙木だが、ゴルフの調子自体はそれほど悪くなかったという。「自分なりに理由を考えた結果、疲労がたまっていたかなと。腹筋に力が入っていなかったので、腰が反っていたんだと思います」。TP単年登録ながら、20-21年シーズンに45試合の出場を経験しているが、それからすでに3年が経つ。前週までで開幕から11試合連続で出場したことで、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されていたのだろう。
「いつも以上にケアをしっかり行いましたが、それがすごく上手くいった感じです」。体をリフレッシュさせたことで、スイングにキレが戻り、ショットの精度が上がったというわけだ。もちろん、それだけで好スコアが出たわけではない。実は、パッティングでもある工夫をしていた。
「オーバーすることを恐れて、5メートルぐらいのパッティングでもショートばかりしていたんです。それで今週はカップを大きくオーバーするイメージで打つようにしました」。今月の13日に26歳を迎えたばかりの髙木だが、様々な経験を重ねてきたことで、どこか守りのゴルフになっていた。それがパッティングにも表れ、ショートしていたのだ。克服するために、練習グリーンではとにかく1メートルオーバーのタッチを心がけた。「10メートルでも1メートル、5メートルでも1メートルオーバーさせるイメージです。でも、最初はなかなか距離感が合わなくて、プロアマ戦では7メートルの距離を3メートルもオーバーしちゃいました」と笑う。
何とか本戦には間に合い、この日は1番ホールで3メートル、2番ホールで2メートルのパーパットを沈めて勢いに乗り、バーディーラッシュへつなげた。
今季の最高位は開幕戦であるダイキンオーキッドレディスでの9位タイ。このときはまだワクワク感があったものの、今はない。他の選手同様に優勝とシード権を狙う勝負師の気持ちで戦うだけだ。同学年の臼井麗香や天本ハルカも紆余曲折を経ながら、今季ツアー初優勝を飾っている。同じ苦労人だけに、今回のチャンスを逃すつもりは一切ない。
(山西 英希)
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