2024.8.24
テクニック満載 上田桃子-シンプル思考でV
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ニトリレディスゴルフトーナメント 桂ゴルフ倶楽部(北海道)第3日
狙ってイーグル。これが真骨頂とばかりに、上田桃子がスーパープレーを披露した。12番、残り109ヤードの第2打で50度を選択。打球はピン方向へ向かい、8メートル手前からきっちりとカップインさせた。
フィニッシュをとってから約5秒の間が-「ボールは奥へ転がる。連日、手前に落とせば、いいものが見られる、と思った」。ベテランの技が光る。
この日は前半から快調に飛ばした。2番=6メートル、3番=3メートル、4番=5メートルと3連続バーディー。「トップと5打差以内」が、第3日の最低目標と明かしている。パー3・8番でも7Iでピン1.5メートルへ。一気にジャンプアップを果たしている。
しかし、好事魔多し。終盤の15、17番でボギーを叩いた。「ショットの調子はとてもいい。ただ、悪いショットも時には…。逆球が出る。ちょっとのミスが大きくなってしまう」と話す。それでも、18番では下りの難しいラインを読み切り、最後のひと転がりでコロンとカップへ。バーディーフィニッシュを決めた。「10メートルはあった。きのう、パッティングのリズムがいまひとつ。このグリーンはすごくラインが読みにくい。迷いながらストロークするからでしょう。だから、練習をしないで引きあげた。きょうは、いいところから、いいリズムで。うまくやっていこう、としただけですよ」が、好結果を生んでいる。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ちなみに、ひとことでリズムといっても、人それぞれ違う。「私の場合はボールの転がるスピードがスーッといくようにするだけです」と、説明を加えた。コースは違うものの、前年の今大会では悔しい思い出がある。異常気象のために、第1日がサスペンデッドとなった。その影響で第2日は計31ホールをプレーし、首位へ浮上する大奮闘。当然のようにVを目指したが、最終日は荒天のために9ホールで4バーディー、ノーボギーと素晴らしいプレーを披露しながら、無情の中止となっている。
「本当に最終日は残念でした。すごく調子が良かったけど…」と前置きし、「これから公式競技も控えているだけに、しっかりと準備をしています。今、すごく飛距離が出ている。そのアドバンテージをあすは生かしたい。最終日はシンプルに行く」と、自らに言い聞かせるように締めくくった。2年5カ月ぶり、Vの空白を埋めるために-。
(青木 政司)
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