2024.10.25
ラッキー・ミニョン『信じられない』を連発
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第33戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が10月25日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,650ヤード/パー72)で開幕。2週連続Vを目指す、イミニョンが7アンダーで首位スタートを決めた。1打差の6アンダー、2位タイは馬場咲希、工藤遥加。4位タイの5アンダーに河本結、岩井千怜、柏原明日架、内田ことこ、アマチュア・清水心結がつけた。
(天候:曇り時々雨 気温:18.5℃ 風速:2.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23mm》
現在、コースで最も幸運を味方につけている選手-といえば、迷わずにイミニョンと答えられるほど素晴らしいプレーが続いている。前週、2年2カ月ぶりの復活V。よみがえった自信は計り知れない。
何しろ、開幕前日から「2週連続優勝を狙える状態」と公言。なるほど、と感じたのは17、18番の連続バーディーフィニッシュだった。「どんな神さまというわけではないけど、いいショットが打てた時、いいパッティングがきまった時など、心の中で、ありがとうございます、と感謝します。おかげで、ラッキーがやってくる」と、好調の要因を大まじめで明かしている。
たとえば、17番は無理をせずにパーセーブを第一に心がけた。グリーン手前の花道から、第3打は25ヤード。52度でチップインが決まる。そして、最終ホールではピン手前13メートルから、バーディーパットをカップインさせた。上りのフックでラインは簡単でもないにもかかわらず…。
「前週第3日の17番、ありえないチップインバーディーからです。あの時は23ヤード、58度。下って、すごいフックラインでした。ちょっと強く、クラブが入ったけど、私が一番、びっくりしたでしょう。そういえば、最終日も16番もそうだった」と、思い出したように話してくれた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
そうはいっても、練習ラウンドでは常にチップインをイメージしながら、いつも練習を重ねているそうだ。「でも、なかなかカップインすることはない。それが、ここ最近は練習でできなくても、試合でできるようになった。そんなことを考えると、本当にゴルフはわからないスポーツだと感じます。テクニックはもちろん、大切ですけど、気持ちひとつで変わるんだなぁと思う。だから、感謝を込めて、心の中でありがとうございます、と唱えるようになりました」。
そんなエピソードを聞いていると、古代ローマの哲学者・セネカの言葉が頭を過る。幸運について、『準備と好機が出会って生まれるもの』。まさに、イがそんな状況ではないか。
前日、パッティングがいまひとつだったが、「インパクトの瞬間、フェースが開く」と修正ポイントを見出し、すぐさま修正。この日、前半はアイアンショットでスイングテンポが速いことに気がついた。「試合中だから、大きく修正する余裕がなかったけど、後半は注意した」と、ノーボギーラウンドを達成。心技体の充実がわかる。
今大会のテーマは自身が名付けた、「アンパイ作戦」。「ゼネラルプロデューサーの戸張捷さんがピンポジションを決めるでしょう。だから、すごく難しい。なかなかピンデッドにはいけないから、安全第一で手前か、グリーンの中央を狙います」と解説した。細心の注意を払うことも忘れてはいない。
(青木 政司)
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