2025.2.12
新しいヒロイン2025《97期生・山下 心暖》
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。
やました・こはる=2005年12月30日生まれ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
同時合格を果たした、最終プロテストは2度目の受験だった。「最初は1打差で、落選…。23年は第1日が1オーバー、第2、第3日が各3アンダーで合格圏内に入った。しかし、最終日に1オーバー。パープレーだったら、と終わった後もため息の連続でした。自信があっただけに残念としかいいようがない」。
捲土重来を期した24年である。高校卒業後は南九州カントリーで研修生となり、ゴルフ漬けの毎日。日本女子オープンにも出場した。ところが、「すごく痛い目にあって、それまで順調だった調子が急下降です。特に1Wの精度が定まらない。両親には負担をかけたくなかったから、最後のテスト受験のつもりでいた」そうだ。
本番1週前になっても、いっこうに調子が上向かない。そこで荒療治とばかりに前年に使用した1Wを投入。「このクラブを使うと、高いボールになる。風が強いコースですから、どうかなぁ、と思ったけど幸運に変わった。あっという間に、自信が蘇ってきたんです」と、劇的変化の舞台裏を語った。
もっとも喜んだのはコーチでもある、父・陽輔さんだろう。「小学校の時は、プロに指導を受けていた。でも、その方がおやめになって…。私にしてみれば、その人以外には教わる気がしなかった。幸い、父が私のクセと矯正法を、コーチからうかがって…。それ以来、その関係です」。そうはいっても、公務員のお父さんは救急救命士としての顔ももっている。人命を預かる大切な仕事を、おろそかにするわけにはいかない。
25年の目標を質問した。「ステップ・アップ・ツアーで、皆さんから名前を憶えてもらうぐらいにはなりたいです。それから、私の取り柄は笑顔ぐらいかなぁ」。とても謙虚で、ひた向きだ。とても今時の選手とは思えないぐらい。笑顔を浮かべるだけで、見ている人を心まであたたかくしてくれるだろう。確かに名は体を表す。
(青木 政司)
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