2025.9.28
菅楓華、2打差逆転でツアー初V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2025シーズン第27戦『第52回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』(賞金総額7,000万円、優勝賞金1,260万円)最終日が9月28日、宮城県利府町・利府ゴルフ倶楽部(6,590ヤード/パー72)で行われた。2打差10位タイからスタートした菅楓華が65をマーク。通算9アンダーでうれしいツアー初優勝を飾った。2打差の通算7アンダー、2位タイに穴井詩と神谷そら。通算6アンダー、4位に桑木志帆が入った。
通算4アンダーで6人が首位に並び、2打差以内に15人がひしめく大混戦から始まった最終日。2打差の10位タイにつけていた菅楓華が考えたことはただ1つ。「ビッグスコアを出すこと」だけだった。スタート時は前日まで吹き荒れていた強風も収まっていただけに、スタートダッシュがビッグスコアへのキーポイントになる。
367ヤードと比較的短い1番ホールの第2打、ピンまで残り127ヤードをピッチングウェッジで打つと、10メートルのバーディーパットが残った。自ら課題と挙げるパッティング、前日は33パットと奮わなかった。嫌な流れを断ち切るためにも3パットは避けたい。慎重にアドレスに入ってストロークすると、ボールはカップに吸い込まれるように消えていった。
ロングパットを沈めたことで勢いに乗る。続く、2番、3番でもバーディーを奪い、前半のハーフを5バーディー、ノーボギーの31でターン。パット数は14パットと上々の出来だ。「きのうは打ち切れていないパッティングが多くて、きょうは難しいラインでもしっかり強気に攻めました。やっぱり自分にはしっかり打つことが合っていると思い、しっかり打つようになりました」と、パッティング良化の要因を分析する。
後半に入っても菅の攻撃的ゴルフは変わらない。14番パー5では、グリーン手前20ヤード地点からアプローチで30センチに寄せてバーディー。これで単独トップに立つと、17、18番でも連続バーディーを奪って通算9アンダーでホールアウト。後続がスコアを伸ばせず、ツアー2年目にして念願の初優勝を飾った。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
今季は開幕戦から2試合連続で2位に入るなど、トップ10回数は本大会開催前の時点で11回を数えた。あと一歩のところで優勝を逃すうちに、同期や同学年の選手に先を越されてきた。「焦る気持ちもありましたが、みんなと切磋琢磨してできているとも思えるので、すごくいいメンバーに巡り合えたと思います」。それでも中盤戦はなかなか優勝争いに絡めず、気持ち的にも下がり気味だったので、とにかく自信を持ってプレーすることだけを考えていた。優勝が決定するまで、練習グリーンでパッティングの練習をしていた菅だが、優勝決定の報を聞いた途端、両手で顔を覆い泣き崩れた。いろんな思いが一瞬のうちに交錯し、涙を止めることができなかった。
今回の優勝でメルセデス・ランキングは3位に浮上した。プロを目指したジュニア時代から、30歳までに年間女王になるという目標を掲げているが、大願成就に大きく近づいた。今季最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは生まれ故郷である宮崎県宮崎市で開催される。「中学、高校時代は5年間、ボランティアで現地にいっていました。優勝して戻れることがすごくうれしい。地元開催でたくさんの方が応援に来てくれる。頑張りたいです」。思い出の地で劇的なフィナーレを迎える可能性は十分にありそうだ。
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