2026.3.22
笠りつ子-鮮やかに5年ぶり復活V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2026シーズン第3戦『Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が3月22日、千葉県野田市・紫カントリークラブ すみれコース(6,731ヤード/パー72)で行われ、ベテランの笠りつ子が通算3アンダーで5年ぶりの優勝を飾った。2打差の通算1アンダー、2位タイは菅楓華、佐久間朱莉、神谷そら。
プロ21年目の春が来た。そして、笠りつ子は初めて、優勝を飾りグリーン上で涙を流す。最終18番のバーディーパット。これまでのキャリアを凝縮するかのように、ボールがきれいな転がりをみせる。4メートルをカップイン。この5年間、願い続けた優勝シーンだった。
「5年間、最終日で崩れることが多かった。たくさんの方から応援を受け、とにかく1勝したい。その気持ちでここまできた」という。ハデなガッツポーズをつくるより、思わず目頭をおさえたのは、そんな経緯があった。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
この日の最終組は佐久間朱莉、神谷そらとのラウンド。かつてのような闘志を表すことなく、内に秘めて淡々とプレーをした。難コースを強く意識することはない。1打を争う激しい優勝争いでも、ベテランらしく我が道を行く-そんな堂々としたスタイルが印象に残った。
戦況は一進一退。17番でボギーを叩く。ラスト1ホールへ向かう際、「最後はパー5。(飛距離が出る)神谷そらさんが有利でしょう。私は無理に攻めるようなことはしない。セオリー通り、行こう」。それでもアドレナリンの影響か、第2打は予想以上に、「飛んでしまった」そうだ。
一方、首位で並んでいた神谷は勝負を賭け、2オンを狙ったものの、第2打をバンカーへ。結局、2位タイに終わる。通算593戦目のキャリアが勝った。笠は得意とする高速グリーンを見事に克服。
かつてはイケイケが笠のトレードマークだった。しかし、38歳となった今、人生の岐路にもたたされている。24年シーズンからシードを失い、今季はQTランキング38位。今大会は主催者推薦出場だった。「うれしいのは一瞬です。苦しい時が長い。この先のことを考えなくてはいけません。きょうも来年はここにいないかもしれないと考えた」と本音を漏らす。
そうはいっても、ゴルフは生涯スポーツ。苦悩を経て、勝利をもぎとった姿をファンは、もっと見たいと望んでいる。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>