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2016.3.26

無音、無心へ挑戦する吉田弓美子 『打球音だけを聞く』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>

アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI UMKカントリークラブ(宮崎県) 2日目

 無音の世界をつくれるか。吉田弓美子の最終日のテーマだ。今季は1度、その目標を達成している。『ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ』の最終日、67をマークした時がこの状態だったという。「唯一、聞こえてきたのは、ショット、パッティングの際の打球音。集中力を高めるトレーニングをオフの間から、ずっと続けています」。メンタルをより鍛錬するのは、今年から施行されたアンカリングの禁止だ。長尺パターを使用していた吉田には、それこそ選手生命にかかわるルール改正。レギュラーサイズのパターに不安を抱かないたくさんの練習も必要だが、自分自身をコントロールできれば、自然体でプレーできることを思い立った。きっかけは1冊のミステリー『王とサーカス』。2016年版「このミステリーがおもしろい!」国内編ランキングで堂々の第1位を記録したベストセラー。

 通常、吉田は自室では必ず、BGMをかける。ただ、この本を手にすると、「あまりのおもしろさに、小説にのめり込んだ。気が付くと、音楽は耳に入ってこない。無音の中で読書をしていた。そうだ、この状況でプレーすればいいと、トレーニングを開始。読書が私の知らない一面を引き出してくれた」という。加えて、鼻腔へワセリンを塗って、花粉の侵入を防止する方法を試したことも、今季の好調を後押し。「第2日の前半は、たくさん練習をしたから、疲れが出たのか、右肩から腕がしびれていたけど、いいパッティングができた。自分が驚いています」と明かした。ゴルフはメンタルのスポーツ。狙うのは、もちろん優勝だ。ちなみに、単独2位以上なら、生涯獲得賞金が3億円を突破する。「私は意識していなかったけど、オフに兄から、もうすく3億円だね、と聞かされていました」と話した。18ホールの静寂が実行できて、Vを飾れば、待っているのはギャラリーの大歓声である。

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