2016.9.8
公式戦で躍動 濱田茉優、なでしこの心意気
<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>
2016年LPGAツアー公式戦、49回目を迎えた『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)が9月8日、北海道登別市・登別カントリー倶楽部(6,750ヤード/パー72)で開幕した。大会1日目、68をマークし、4アンダーで首位に立ったのは、プロ2年目の濱田茉優。1打差の3アンダー、2位に森美穂が続き、3位タイの2アンダーは酒井美紀、藤田光里。ディフェンディングチャンピオンのテレサ・ルーは、イーブンパー、7位タイとまずまずのスタート。(天候:曇り 気温:19.3℃ 風速:0.9メートル)
プロ2年目、初出場の今大会で濱田茉優が首位スタートを切った。「スコアボードの一番上に名前があることは、おそらく、世界で一番、私が驚いている」。そうはいっても、1イーグル、3バーディー、1ボギーの内容は、とにかく立派。他の選手も? それもそうだろう。今シーズン、19試合に出場して、最高成績がニトリレディスゴルフトーナメントの24位タイで、しかも予選落ちが12回。いったい、何があった。
「今回、コーチの井上忠久プロがキャディーをしてくださったことが一番大きい。とにかく、謙虚にプレーしよう。そうアドバイスを受け、欲をかかない。プレーを楽しむことを18ホール、できました」。淡々と話している。圧巻は17番のイーグル。7Iの第3打を直接カップインした。第1打をラフへ入れ、「とりあえず、フェアウェイへ出すことだけに集中したのは、井上さんのアドバイス。謙虚にプレーしたことで、こんなご褒美があるとは…」と目を丸めたという。
7日は自身、21歳の誕生日だった。すでに6日夜、パーティーを行ったそうだが、1日遅れのイーグルは何よりのプレゼントになっただろう。ゴルフを始めたのは、7歳。両親が共働きということで、祖母・小寺二三子さんが面倒をみてきた。「祖母の趣味がゴルフ。一緒に練習場へ行き、とにかく楽しかったです。いつか一緒にコースでプレーを。そう思っていたからでしょう。プロを目指したのは」。今回は二三子さんが「北海道だから、観光も兼ねて」という理由で、帯同している。きっと大きな支えとなったのだろう。
一方で、ニトリレディス最終日、同組でプレーした佐伯三貴はあこがれの人だった。「スイングやパッティング、すべてにあこがれている。ようやく一緒にプレーすることができました。ホールアウト後、『自信をもってね』といってくださった」と明かす。感心したのは、プレーだけではない。取材を受ける態度もなかなかのもの。「初めてのインタビュールームは、ただならぬ雰囲気。緊張しました。高校時代のゴルフ部の監督が、礼儀にとても厳しい方。社会人になって本当にありがたいと感じます」と話す。
好きな言葉は、『受けた恩は石に刻め かけた情けは水に流せ』。仏教の経典にある刻石流水だ。「ここまでくるのに、家族やたくさんの方から恩を受けています。少しずつでもいい。恩に報いたいです」とは、帰り際に直立不動で語ったことだ。連想したのは、なでしこ。秋の季語である。
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