2016.9.8
1st day プラスワン~新庄正志~
<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 登別カントリー倶楽部(北海道)1日目
午前3時30分。TPD事業部・新庄正志の1日がスタートした。ブルッと身震いを。いつも以上に、気持ちが引き締まる。競技委員として初体験の公式戦。「レギュラーツアーと仕事内容は変わらない。でも、ムードというか、公式戦は違いますね」と緊張した面持ちで口を開く。従来、LPGAツアーの競技委員は、会員で構成されてきた。要は女子プロの中へ飛び込んだ、初の男子、それもLPGA職員。
これも、世界を目指す新たな取り組みだ。「(小林)会長から話があった時、大いに戸惑い、驚いた。熱い気持ちを聞いて、一助となれたら、本当にうれしい。将来的には、会員のルール講師に…ということでした」。
そのプロセスが競技委員だ。まずは、資格を取る。今年1月、R&Aレベル1を受験した。「学生時代以来の受験勉強。平日は帰宅後に自宅、休日は図書館で、ひたすらルールを頭へ叩き込んだ」。鉄は熱いうちに、といわれるが、翌2月にレベル2へ挑戦して、連続合格し、ライセンスを取得した。11月は、日本では取得者が10人にも満たないという、レベル3試験が待ち受ける。ここでは日本語ではなく、すべて英語で行う。世界基準だ。
ゴルフはミスがつきもののスポーツ。とはいえ、ルールの世界ではミスは許されない。新庄は今大会、アウトの9ホールが担当だ。「ただ、見てればいいわけではない。順調に競技が進行しているかが、大切。常に流れをはかっている」という。加えて、選手から要請があれば、迅速に駆けつける。「歩いてはいけない。脚力、体力をつけようと考え、ウォーキング、ランニングをするようになった。おかげで7キロもダイエットできた」と意外なことを口にする。
日本は今、男女共同参画社会を目指している。では、女性の世界へ男性が入るのは、どうだろう。「仕事は同じです。でも、異性が入ることで雰囲気が変わった。そう言われたらうれしい」。日焼けして精悍な表情は、充実した日々を送っている証明だ。
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