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2017.4.30

キムハヌルが今季初優勝 逆転Vの意外な舞台裏

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2017年LPGAツアー第9戦『サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント』(賞金総額7,000万円、優勝賞金1,260万円)大会最終日が30日、静岡県三島市・グランフィールズカントリークラブ(6,501ヤード、パー72)で行われ、キムハヌルが今季初優勝を飾った。勝負は、通算7アンダーで並んだ鈴木愛とのプレーオフ。1ホール目でバーディーを奪い、混戦にピリオドを打った。ツアー通算4勝目は、LPGA会員の資格を得る-という思わぬ特典に、満面の笑みをたたえている。(天候:晴れ 気温:21.5℃ 風速:4.7m/s)

 負のイメージを断ち切る。いつにも増して、キムハヌルはクールだった。18番でのプレーオフ。残り119ヤードの第2打を、PWでコントロールして、3メートルにつけた。「すぐ前の18番でも距離は違っていたけど、同じライン。絶対、入れると気迫でねじ込んだ。もし、今年もプレーオフで負けたら、立ち直れないほどのショックを受ける。苦手をつくらないためにも、負けるわけにはいかなかった」と、珍しく興奮しながら勝因を語っている。

 また、今季からトーナメント規約が改正された。TPD単年登録者が、LPGAツアー競技で優勝すれば、理事会の決議で正式入会を承認される。以前から、キムはイボミ同様、「正会員になりたい。ずっと日本でプレーしたいから。開幕戦の選手ミーティングで、その話をうかがい、とてもやる気が出た」と漏らしていた。表彰式後、入会申請書を手渡され、「優勝もうれしいけど、それ以上に忘れられない大会になった。さっそく、書類にサインをして提出します。イミニョンが、ヤマハレディースオープン葛城に勝って、先を越されたからホッとしている」といい、「序盤戦で勝てたことは大きい。まず、1勝、これが本当に難しいからです」と胸をなでおろす。

 常に控えめな性格だ。コツコツと積み上げるのが、特徴のひとつでもある。「日本ツアーへ参戦して、1年目に1勝、2年目が2勝だったから、今年は3勝。年間賞金ランクも去年が4位だから、3位です」といった具合だ。「頂点を極めたら、その上がありません。だから、1歩ずつ行きます」。

 そうはいっても、今季は大きなチャレンジの1年。韓国ツアーの賞金女王に輝いた翌13年以来、2度目の全米女子オープンへ出場するなど、さらなる成長をうながす。「ティーショットの精度が上がったと思う。それに、日本の選手はショートゲームが上手です。毎試合、間近でみられるおかげで、私も上達した感じがする。そして、素晴らしい環境を与えてくださる関係者の皆さんへ、いつも感謝しながらプレーしています」。

 一方、キムは富士山への感謝も忘れない。「写真を撮って、インスタグラムにアップした。これほどきれいな山を、見たことがありません」。ただし、「山は登るものではない。見るものです」と苦笑し、登山の計画はない。

 16年、1メートルのパーパットを外して敗れた悔しさを見事、晴らしたキム。「来年の大会では、連覇という目標ができました」と締めくくった。

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