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2017.5.4

100ヤード大作戦が大成功 岡山絵里が首位発進

<Photo:Atsushi Tomura&Matt Roberts/Getty Images>

 2017年LPGAツアー公式戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2,400万円)が4日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部西コース(6,670ヤード、パー72)で開幕した。LPGAツアー史上最高の第1日ギャラリー動員を記録するなど、大会は大いにヒートアップ。4アンダーの首位に岡山絵里、川岸史果、柏原明日架の若手3人が立ち、2打差の4位タイで原江里菜、イボミなど5人が追う展開になった。ディフェンディングチャンピオンのレキシー・トンプソンは2オーバー、30位タイ。(天候:晴れ 気温:21.5度 風速:4.1m/s)

 ミス・100ヤード。この日ばかりは、そう呼びたくなる。大会1日目、首位に立った岡山絵里は、ここ2戦の不振がうそのような変身ぶりだ。「予選落ちが続いたけど、ショットがずっと良かった。でも、メンタルがちょっと…。完ぺき主義というわけではない。でも、ゴルフになると、ひとつのミスが絶対に許せません。どうしたのだろう、とずっと引きずってしまう。結局、負の流れを切ることができず、悪い流れのままで終わった」と分析した。

 そんな時、頼りになるのはやはり肉親。愛娘の気持ちを見透かしたように、父の宗成さんから、メールが届く。『第3者の目で見ながら、プレーするのもいい』。まさに福音である。気持ちをリセットして、今季初の公式戦へ挑んだ。「ピンを狙わない。グリーンに乗ればオッケー。私は残り100ヤードの距離が、得意で好き。それを残してPWで打つ。きょう1日、それを徹底しました」。

 なるほど、奪った5バーディーの内、パー3の6番以外は、100ヤード前後に残した。一方、強固な決意を示したのは、パー5の3番。「2オンを狙えた。だけど、決めたことですから、きっちりとレイアップ。結果は右エッジから3パットのボギーでも、全く後悔していない」と話している。20歳とは思えない、ブレないスタイルはこの先、ツアーを戦う上でスーパーウェポンとなるだろう。

 また、メーカー担当者からは、落ち込んでいた姿をみて、「もっと自分を好きになったほうがいい」と激励されたそうだ。プロ2年目の昨年は賞金シードを獲得したが、優勝には手が届かなかった。「それは、勝ちたいです。だけど、自分から優勝を迎えに行くのではない。いつかは、勝てるだろうと思うことにした。そのいつかのためには毎日、努力を欠かさないことでしょう。2日目からはゼロです」。淡々と語った。

 ちなみに、インタビュールームで取材を受けるのは初体験。「人前でしゃべるのは、緊張します」と苦笑していた。LPGAツアー史上、1日目の最多ギャラリーを記録した今大会。自身をアピールするのは絶好のチャンス。ところが、「それはすごい。プレーに集中していたから、全く気がつかなかったです」。無欲の欲を追究していく。さながら求道者のようだった。

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