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2017.5.11

折れない心こそ強さ 安納昭江が自身初の最終日最終組へ

 2017年LPGAステップ・アップ・ツアー第5戦『静ヒルズレディース 森ビルカップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)の大会2日目が、茨城県常陸大宮市の静ヒルズカントリークラブ(6,388ヤード/パー72)で行われた。初夏の爽やかな気候のもと、上位勢が目まぐるしく変わる混戦模様となった2日目。そんな中、2位タイからスタートした安納昭江が、2位に3打差の通算7アンダーと後半大きくスコアを伸ばし、単独トップに立った。3打差の2位にはアマチュアの長野未祈、さらに1打差で同じくアマチュアの平塚新夢が続いている。(天候:晴れ時々曇り 気温:24.3℃ 風速:2.4m/s)

 「バーディーを獲っても獲ってもボギーが……。後半は気持ちを切り替えた結果、リズムが良くなってきました」。折れかけた気持ちを立て直す精神力は、プロ入り3年目で培えるものではない。2015年に36歳でプロ入りした安納昭江は、遡ること20年、高校卒業時の18歳で初めてプロテストを受験するも失敗。その後、最終プロテストで涙を飲むこと、実に13回。何度気持ちが折れかけても、諦めなかったこの精神力こそ38年間の人生で育んだ賜物だろう。

 首位と1打差の2位タイからスタートした今日も、時間とともに次第に風が強まり多くの選手がスコアを崩す中、後半4バーディー、ノーボギー。32ストロークと驚異的なスコアをマークし、後続を大きく突き放した。「バーディーが来たのもラッキーみたいな感じもありましたからね」と達観する安納には、人生経験の厚みのようなものを感じさせられたが、最終日最終組に対しての質問には「絶対に緊張するだろうなっていうのはあります。今は感じてないけど、明日は顔面蒼白になってるかも(笑)」と思わず本音をこぼす場面も。遅咲きの苦労人がようやくつかんだ初優勝のチャンス。緊張するなという方が無理な話だろう。

 ともに最終組で回るアマチュア2人とは、プロ入り前の長い下積み時代、ジュニアの試合の手伝いなどで面識があるというが、当時中学生だった2人と、プロ入り前の安納が、明日こうして優勝争いすることになるとは思いもしなかったはずだ。

 自身初の最終日最終組。プロとして負けられないプライド。明日も数多のプレッシャーに立ち向かうことになるだろうが、「打てるところにあればいい」という人生経験の厚みからくるこの懐の深さがあれば、待ち焦がれた瞬間は自ずとやってくるのかもしれない。

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