2017.6.8
3つのキーワードで開眼 辻梨恵が65で首位発進
<Photo:Masterpress/Getty Images>
2017年LPGAツアー第15戦『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が6月8日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6,538ヤード、パー72)で開幕。今季限りの引退表明を行った宮里藍フィーバーで、大ギャラリーが足を運び、出場選手のプラスアルファを引き出す相乗効果をもたらした。大会1日目は大混戦。7アンダーで辻梨恵が首位に立ち、6アンダーの2位は岡山絵里がつけた。
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自己ベストの65をマークした辻梨恵が、分析したキーワードは3つ。『アドレス』、『数珠』、そして『将棋』だった。一見、何のつながりもないようだが、辻の体内で、見事なまでの起爆剤に変わっている。スイングに違和感を覚えた。「5月以降、狙ったボールが出ない」。原因は、ささいなものだった。「アドレスした時、ほんの少し、左を向いていたみたい。きっちりとつま先がまっすぐ向くように修正したら、本当に気持ちよくプレーができました」と解説した。
この日は2番で10メートルのバーディーパットを決め、ジワリジワリと調子の波に乗る。特に後半は5バーディーを奪って、31と文句なしの内容だ。「朝から、たくさんのギャラリーが見に来てくれました。ぜひ、いいプレーをしたい。特に今回は4日間大会だから、力が入る。自分の実力が試されるような気がします」と話した。チャンスをつくるのはショットだが、パッティングの良さも見逃せない。8バーディーの中には、ラインの読みを迷ったこともあった。
そんな時には、自身の決断を信じるために、左手首をチラリとみる。そこには、ブレスレッドの代わりになればいい、とつけ始めた数珠が…。実家はお寺だ。「父から、アクセサリーの代わりになるから、と。数珠のおかげで困った時、結構、助けてもらったような気がします。とてもいい」とニッコリ。
一方で、フトしたことがきっかけで、将棋にも興味をもつようになった。「本屋さんに行って、試し読みの小冊子があり、これがおもしろそう、とピンときたのは、3月のライオンでした。今、ちょっとしたブームになっている将棋。全く知らない世界でしたけど、最近はスマートフォンのアプリでコマの動かし方を猛勉強しています。先の先まで勝負を読む。ゴルフは目の前の1打が大切ですけど、コースマネジメントなど、先を読むことも必要。おかげでゴルフがもっと楽しくなった」そうだ。
物静かで淡々とプレーする。ただ、プロになってからやめたい、と真剣に思い悩んだことが1度だけあった。「ゴルフは大好きです。でも、応援してくださる皆さんの期待に応えられない時が、とにかくつらい。申し訳ないと思いました」と明かす。そんな義理堅い性格だ。プライベートでも、5年前からウエア契約を結ぶメーカーの別ブランドがお気に入り。「メーカーのファミリーセールに行ったら、ピンときた。私の好みはきれい系です」と瞳が輝く。その表情は、さながら解脱の雰囲気がうかがえた。
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