2017.8.18
1st day プラスワン~髙橋恵~
<Photo:Matt Roberts/Getty Images>
CAT Ladies 大箱根カントリークラブ(神奈川県)1日目
確率は21分の1だった。プロゴルファーはアスリートとはいえ、決まった背番号などはない。しかし、ボールにプリントされたナンバーなど、やはり番号へのこだわりはなかなかのものだ。その究極はLPGA会員番号。昨年の最終プロテストでひそかに、話題になったことは、誰が1000番をモノにするか。「入会式で私だ、と知った時、密かにガッツポーズをしました。同期の選手、家族から、もっているね、といわれたから余計です」と話している。
なるほど、生涯1度だけのLPGA新人戦加賀電子カップに優勝まで飾った。そのプロアマ戦でも、もっているエピソードが。「伊藤園の会長と同組でプレーしたら、元気がいいね…と。その後、所属契約のお話をいただきました」。こうなると、ツアーフル参戦の権利を得た今シーズン、周囲の期待は右肩上がりになるのも当然だろう。
しかし、冷静に自身をみつめていた。「自分自身へ、すごく期待していたわけではない。だって、ここまで苦しんできたことばかりですからね」。中学2年で出場したANA PRINCESS CUPで優勝し、天才少女などと将来を嘱望されたこともある。ところが、いいことは続かない。2015年プロテスト1次予選。50センチのパッティングを外してから、異変に見舞われる。「何とか、だましだましで最終プロテストまでは、たどりつきました。でも、その肝心なところで1ラウンド目から77ばかり。どんなことをしても、パッティングがさっぱりになった」。
以降も負のスパイラルが続き、原因が見いだせない。オフには一切、パッティング練習をやめる荒療治で復活した経緯があった。「あの時のことを考えれば、今はまだ、ましです。4パットや5パットもあったから。今年は2、3メートルのバーディーパットが決まらない。だけど、同じぐらいの距離のパーパットは入る。どうしてでしょう。練習すること以外に、解決策はありません」。とはいえ、表情は明るい。不調を克服するため、前向きに取り組んでいる証拠だと感じた。
気晴らしは、「ショッピングです。しかし、私は物欲がない。もっぱら、ウィンドウショッピングばかりだけど…」。映画、ティファニーで朝食を-の世界なのである。そうはいっても、ひとつだけほしいものがあった。「67とか、そういうスコアが欲しい。1度出せば、ガラッと変わるような気がします」という。ちなみに、1000番について、こんな話題にもなった。「本当は1番が好き。1番になりたい。だから、1000という数字は、カンマを必ず加えます。そうすれば、1.000でしょう」。この発想力が、不振脱出の起爆剤となるか。
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