シナリオ通りの逆転劇！野澤真央がステップアップツアー2勝目

＜Photo：Ken Ishii/Getty Images＞

　2017年LPGAステップ・アップ・ツアー第18戦『フンドーキンレディース』（賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円）大会最終日が、大分県臼杵市の臼杵カントリークラブ（6,512ヤード／パー72）で行われた。首位と2打差の5位タイからスタートした野澤真央が6バーディー、1ボギーをマークし通算10アンダーでステップアップツアー2勝目を逆転優勝で飾った。通算7アンダーの2位には、高林由実と、ルーキーの金澤志奈が入った。（天候:曇り時々晴れ　気温:24.5℃　風速:4.1m/s）

　3日間通して70・69・67と安定したゴルフを展開し、逆転優勝を飾ったにも関わらず「2日目が終わった時にトップだったら勝てないと思っていました。追う方が楽だと思っていたし、最終組じゃない方が良いと思っていたので、そういう意味ではシナリオ通りでした」と落ち着いた表情で淡々と語った野澤真央。この逆転劇は、すべて先週から野澤の頭の中で描かれていたストーリーだったのかもしれない。

　QTランキング62位の野澤は、この先レギュラーツアーの出場資格は下りてこなくなると踏み、元々、秋以降はステップアップツアーに本腰を入れて参戦することを決めていた。その矢先迎えた先週の中国新聞ちゅーピーレディースカップでは、いきなり3位タイという成績を収めた。しかし、最終日を単独首位でスタートしながら優勝を逸したことに強い憤りを感じており、その悔しさを必ず晴らすと強く誓い臨んだ今週だった。結果は「有言実行できました」と見事、理想的なストーリーでリベンジを果たした。

　「2勝目が出来なかったら賞金ランキング5位以内。早い段階で2勝目が出来たら、可能性がある限りは1位を狙っていこうというのは決めてました」と、サードQTが免除となる“ステップアップツアー賞金ランキング5位以内”というのが第一の目標だったが「ここで2勝目を挙げることが出来たので勿論1位を狙っていきます」と次の目標を見据えた。今回の優勝で今シーズンの獲得賞金は1,000万円の大台突破の4位まで浮上し、現在トップの福山恵梨とは約780万円差まで迫っている。今季のステップアップツアーもあと3戦で、残り試合すべて優勝したとすると990万円の加算となる。限りなく可能性は低くとも、強い眼差しで語る野澤の姿を見ていると不思議とこれも有言実行してしまうのではないかと思わされる。

　2勝目を挙げたともなると、気持ちのコントロール方法も上達しているようで「優勝した次の週は特に気持ちの持っていき方が難しいので、考えすぎないようにきっちりオンとオフを切り替えたいと思います。先週宮島に行きそびれたので、宮島を観光してからまず関西に戻ります。沖縄に行ってからはまた観光します（笑）」と来週までの過ごし方のシナリオもきっちりと描いていた。