2018.3.18
優勝争いの陰で、意外なドラマ 全と酒井の素顔
<Photo:Matt Roberts/Getty Images>
Tポイントレディス ゴルフトーナメント 茨木国際ゴルフ倶楽部(大阪府)最終日
潔し。名勝負を演出するのは、名脇役も必要不可欠だ。1イーグル、5バーディー、3ボギーの猛チャージで、1打差の2位に食い込んだ全 美貞。鈴木愛が18番でパーパットを沈める前、足早にクラブハウスへ引き上げてきた。プレーオフの可能性が残っているにもかかわらず、だ。
「今日は、ショットがすごく良かった。もっと、スコアを伸ばすチャンスがあったと思う。でも、それは終わったこと。欲をかいたら、切りがない。反省すべきは、私が短いパーパットを外したことでしょう」とサバサバした表情で振り返っている。さらに、クラブハウスへ引き上げたことについて、「1打差です。皆さん、惜しいと声をかけてくださった。だけど、私は一緒に戦った選手のミスを待つのが、イヤです。それは失礼だし、良くないと思う」と説明した。ベテランの矜持を知り、胸が熱くなった。
一方、3位の酒井 美紀も立派の一語。「私が勝つと思っていた。悔しいけど、仕方がない。スタートからの連続ボギーから、立て直せたことが収穫でした。今日は、所属先の会長の誕生日。いい報告がしたかったです」と淡々と語っている。福島県いわき市在住だ。東日本大震災から7年が経ち、この日、こんなエピソードを口にした。「地元の応援がありがたい。私の弟はいわきで救急救命士をしている。いろいろな話を聞いて直接、役に立ちたいと感じ、毎年消防署へAED(自動体外式除細動器)を贈っています」。
これまた、とてもいい話を耳にした。プロゴルファーは感謝と思いやりを忘れない。
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