巧女・賢女・才女　葭葉ルミ、18年のテーマ

＜Photo：Matt Roberts/Getty Images＞

　2018年LPGAツアー第4戦『アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI』(賞金総額・8,000万円/優勝賞金・1,440万円)が23日、宮崎県宮崎市・UMKカントリークラブ(6,505ヤード・パー72)で開幕した。大会第1日は大混戦。6アンダーで葭葉ルミ、佐伯三貴、辻梨恵、三浦桃香が首位に立った。1打差の5位タイに勝みなみ、小倉ひまわりなど4人がつけている。(天候:晴れ　気温:14.6℃　風速:3.7m/s)

　上手いゴルファーになる。首位に立った葭葉ルミ、2018年のテーマだ。その姿を第1日、存分に示した。今や、ツアー屈指の飛距離女王として君臨。ファン、誰もが認識することである。しかし、この日、クローズアップされたのは、パー3の4ホール。2番、7Iでオッケーバーディーを奪うと、7番でも1メートル、13番が8メートル、そして16番も7Iのグッドショットを披露する。

「パー3で、すべてバーディーをとったのは、おそらく人生初。記憶にないから、そうでしょうね。とにかく、距離感が良かった。シンプルでとてもいいプレーができたと思います」と振り返った。

　傍目で見ていると、文句なしに絶好調と映る。ところが、本調子ではない。25歳の誕生日を迎えた前週、左股関節痛で第1日、途中棄権を。「申し訳なかったです。帰宅して、病院へ直行したけど、まだ詳しい診断が出ていない。今は、安静にし、アイシングなどでケアをしている。きょうも痛みがあってきついなぁ、と感じたけど、プレーができて本当に良かった」と胸をなでおろしている。

　不安があるときには、どうしたら良いか。もっとも気を配ったのがリズム。「痛いところがあったりすると、スイングなどリズムがはやくなる。あせらずに、自分のペース、自分のリズムを保つことを心掛けた」と説明した。うまいと同時に、賢い。試練は葭葉へ新たな可能性を示す道標となった。

　ただ、取材中は、ジョークをまじえ、報道陣をくぎ付けに。最近、プロ仲間から、「太ったといわれます。故障をしたのは、その原因もあるのでしょうか」と笑いを振りまき、「服がワンサイズ大きくなった。トレーニングの成果が出ていると思いたいけど、食べすぎも…。17年の開幕戦から、18年の開幕戦までに8キロぐらい体重が増えている。こんなこと、言っていいのでしょうか」と締めくくる。

　ツアー2勝目は、手が届きそうで届かないが、さまざまな経験がきっちりと蓄積されている様子。上手いゴルファーは、テクニックは当然のこと、トークも巧みだ。25歳は、変革のシーズンである。