2018.5.9
ついに到来 新田彩乃-初Vを母へ
2018年LPGAステップ・アップ・ツアー第5戦『静ヒルズレディース 森ビルカップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)が9日、茨城県常陸大宮市・静ヒルズカントリークラブ(6,442ヤード・パー72)で開幕した。降雨によるコースコンディション不良で、スタートが1時間30分遅れの、長い1日に。タフなコンディションにもかかわらず、5バーディー、1ボギーの68をマークした新田彩乃が単独首位に立った。3打差の2位タイは安田彩乃、吉本ひかる。(天候:雨のち曇り 気温:11.8℃ 風速:2.2m/s)
この日の新田彩乃からは、運を予感させる兆しがあった。「思わぬバーディーでした」と満面の笑顔を振りまいたのは、あがり2ホールを振り返った時。17番で2段グリーン下段から、10メートルのロングパットをねじ込んだ。最終18番では、左サイドの木をかすめた第2打が2メートルのバーディーチャンスについた。落ち着いて、これも沈める。あわやピンチという終盤、一気に後続を突き放した。2位に3打差の4アンダー単独首位は、まさにロケットスタート。
昨季のステップ・アップ・ツアーでは、セカンドQT免除のボーダーライン(賞金ランキング10位以内)に約6万円届かず涙を飲んだ。が、悔しさをバネにファイナルQTへ進出。ランキング63位で、今季のステップ・アップ・ツアー出場権を得た。今オフは、将来をにらみ、『飛距離が足りない』と分析。「私にはコーチがいない。母に聞いたりしながら自分の目指すスイングに近づける」と一大決心をした。そして、スイング改造に取り組む。
ゴルフを始めたきっかけは、母・摩利子さんの勧めで入った坂田塾。聞けば、「母は、プロゴルファーを志したことがある」と話した。一家は、お父さんの仕事の関係で各地へ赴いた。たまたま、愛知県で坂田塾の存在を知ったそうだ。「運命みたいな感じ」という。
今年は「常に優勝を目指しています」と口にするほど自信にあふれている。ただし、「調子がずっと良くても、噛み合わなかっただけ」と、自分に言い聞かせ、新たな気持ちで今大会へ臨んだ。
13日は、母の日。恩返しは? の質問に、「大会最終日の11日は、母の誕生日。今週末は、母の日とダブルメモリアルですね。恩返しできたら、最高」。失敗は成功の母-かの、エジソンも語った。紆余曲折のゴルフ人生に訪れたビッグチャンスを、生かさない手はない。ちなみに、15年のプロテスト合格時、「トーナメントで、また、あいつか!と常に上位争いをする選手になります」のひとことを思い出した。
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