2018.5.26
笠りつ子、スパイスは『執念』
<Photo:Matt Roberts/Getty Images>
リゾートトラスト レディス 関西ゴルフ倶楽部(兵庫県)第2日
威風堂々。この四字熟語は笠りつ子のためにあった。今シーズン、予選落ちはなし。ところが、トップ10が、わずかに1度。それでは、周囲が心配するのも無理はない。親愛なる同郷の先輩、古閑美保からは、「執念が足りない」といわれる始末。もちろん、ツアー通算5勝をあげ、2016年のニトリレディスゴルフトーナメント以降優勝から遠ざかっているだけに、結果を残すことが平穏な日々を過ごせる近道なのだが。
「いつも、『何が悪い』、『何かあったのか』と質問をうけるけど、私もわからない。どう戦うか。そればかりを考えている。だから、そんな質問には、失恋していませんなど、の回答でごまかしているのですよ」まるで、禅問答のようである。ところが、勝負の世界は、本人にしかわからないことが多い。笠は、常に自身が感じる正直な気持ちをストレートに表現しているのだろう。
この日は、ピンチらしいピンチがなかった。5バーディー、ノーボギーのラウンドは16年、自己ベストの賞金ランキング3位になったシーズンを彷彿とさせた。スタッツなども現状では、昨年より下がっているわけでもない。「コースマネージメントがうまくできていない」と分析した。首位から2打差は久々のビッグチャンス。「自分のペースで行ければ、オッケーです。結果を欲張らず、淡々とプレーします。待っていて-」。外野の騒音にも、堂々たる態度を示した。いわれているうちが華。いよいよ覚醒の時である。
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