2018.9.7
Day 2~プラスワン 淺井咲希
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 小杉カントリークラブ(富山県)第2日
一期一会の精神が、縁になった。そして、所属プロへ。第2日、ホールアウトすると喜びの笑みが顔いっぱいに広がった。「開催コース所属プロとして今大会、出場させていただきました。4日間、プレーする。それが目標です。ただ、最後の方は風と雨がとても強く、ミスをしたら…。普段は、あまり緊張しない方です。ただ、きょうは体がカタくなり、思うようなスイングができなかった」。
最終プロテスト合格後、4度目のチャレンジでLPGAツアー初の予選突破を果たす。これぞ、プロの仕事だ。「プロテストの第2次予選を通り、最終予選の前、何度も何度も練習ラウンドへ通いました。ただ、どうしても1人でこなくてはいけない事情があって…。その時、小杉カントリークラブの森永(政義)社長が、ご一緒してくださいました。最終プロテストに合格したら、何か、いいプレゼントをするからね。ご縁のはじまり」。一発合格を果たし、黄金世代の一員としてプロの第1歩を記す。そして、所属契約プロとなった。
取材中、気がついたのは、人をひきつけ、応援したくなる魅力をもっていることだろう。実際、親切でとても華やか。この日も髪を結んだ、赤のリボンが印象的だ。昨年の誕生日、プレゼントに母・圭子さんから贈られたもの。「リボンをつければ、見た目が華やかになる、とプレゼントしてくれました。いろいろなカラーを30本ぐらい。今大会は絶対、赤で行く-と決めていた」そうだ。
「赤は、ここ一番で力を出す。そんなイメージがある」。太陽や火など、エネルギーを連想させるアクティブカラーだ。さらに、五感の内で視覚を大いに刺激する。10本の指へ施したネイルアートも赤。「見てください。小杉スペシャルです」とうれしそうに両手を広げた。アマチュア時代、一大スランプを切り抜けたのは、ネイルアート-という打ち明け話も。
「パッティングが、何をしても思うようにいかない。握ることがイヤになった。しかし、ボールを見るのではなく、きれいなネイルを視界に入れたら、どうなるか。そうしたら、とてもいい。ネイルが救ってくれた」と、しみじみと語っている。元々、デザインをすることが得意。コースには2台、浅井がデザインしたカートがあった。「1台は、もっと女性にゴルフを体験してほしいから、華やかなもの。もう1台が富山城をイメージした男性用です」と説明を。
今大会を迎えるまで、約2週間で10ラウンドの練習をこなしている。おそらく、出場選手でナンバーワン。「毎日、5アンダーを目指したけど、簡単ではなかったです。決勝ラウンドでは、3パットをしないように気を配る」と肝に銘じた。「このコースは、とても空気がおいしい。それから、パブリックコースで皆さんが利用しやすいです。初心者でも楽しいと思う。ぜひ、お越しください」と加える。
コースが同じでも、天候や状況など一期一会が、ゴルフの魅力。千利休の精神は、アスリートにも通じていた。
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