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2018.10.26

光が見えた 川岸史果、苦悩を語る

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)第1日

 0.25インチの不思議が、涙を誘う。第1日、こちらまでホロッとさせられるシーンがあった。川岸史果が久々に好スタート。ひと通りの囲み取材が終了した。そこで、もうひと押し。ぶら下がり取材を行うと、苦悩の2カ月半をていねいに語ってくれた。昨年の快進撃から一転。北海道meijiカップから、1試合の棄権を挟み、前週まで予選落ちが続いている。

 「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで1Wのヘッドが壊れてしまった。ヒビが入っているなど、見た目ではまったくわかりません。でも、ショットで30ヤードも曲がるなど、いろいろなハプニングが続いて…。去年は調子が良かったから、今年もそのままです。スペアを探していなかったから」と話す。

 ところが、なかなかしっくりとくる1Wと出会うことができない。そうしているうちに、スイングまでも変調をきたした。「プロゴルファーは、コースと戦うはずです。しかし、その前にスイングやクラブなどが気にかかり、プレーに集中できない。6、7月は1Wをバッグへ入れず3Wでプレーしたこともあります。ただ、秋から大きな試合があれば、少しでも飛距離を稼がなければなりません。ヘッドだけで4、5回は替えたと思う」と、フッとため息をつく。

 さらに続けた。「感性の問題です。自分で克服するしか手がない。去年は春のヤマハレディースオープン葛城で獲得賞金が2000万円を超えていたから、心に余裕もあった。だけど、今年は8、9月などコースへ行くことがイヤになったこともある。不調の時、練習はたくさんした。不安で仕方がないからです。インドアの練習場ではうまくいっても、やはり実際にコースへ立たないとダメ。視覚に入る景色が違うからです」という。その苦悩は想像するしかない。

 それだけに、この日のラウンドは「自信を少し、取り戻した気分です。ノーボギーでプレーできたことが良かった。このまま、ヘッドは替えません。今回はシャフトを0.25インチ、短くして振り遅れることのないようにスイングをした」と明かしている。一生懸命に語る一方で、涙を必死にこらえているのがわかった。これが、プロの厳しさである。 

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