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2019.3.8

Day2 プラスワン~専務理事・鈴木美重子~

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第32回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)第2日

 美を重ねることは、徳も重ねるということだ。24年の歳月は走馬灯のごとく過ぎ去った。第2日、早朝から10番ティーイングエリア後方のスタートテントで、選手へエールを送る。理事としての、ラストトーナメント。3月18日、退任する。

 「正直な気持ちをいえば、さびしい。今大会は選手で第1回からプレーをさせていただいたし、理事としても毎年、お世話になりました。芝目がきつい高麗グリーンだったなぁ」と遠くを見るように振り返った。

 美重子さん−。だれもが、肩書や姓ではなく、ファーストネームで親愛の気持ちを込め、呼んでいる。周囲には、自然と人の輪ができる。そして、笑いが絶えない。勝負の世界で、不思議な空間をつくりあげてしまう達人。人の呼び名は家族、友人、職場、はたまた呼ぶ人と呼ばれる人の立場で異なるものだ。しかし、この人だけは美重子さんである。

 「ツアーを戦っていた頃、まさか理事になるなんて思ってもいなかった。ところが、先輩の小林法子さんから、あなたのようなはっきりとモノをいえる人が協会には必要です。そう、おっしゃってくださって、立候補することになった」と苦笑しながら教えてくれた。任期中はトーナメント部門、事業部門、管理部門など、LPGAのすべてに携わる。そうはいっても、誰もが認識しているのは、広報部門のパイオニアということだ。メディアのパワーをいち早くとらえた。女子プロゴルファーの素晴らしさを広く一般へ知ってほしいとの一念からだ。

 「たとえば、共同インタビューや囲み取材の時など、絶対にオウム返しをしてはダメと徹底。いろいろなスポーツ選手のインタビューシーンを独自に研究し、発信する言葉の大切さ、それを聞く人の立場で考えた結果です。そして、自身の両親のことを、お父さん、お母さんではなく、父、母と取材ではいうように…。どんなに若くても、プロゴルファーは立派な社会人でしょう。どこへ出てもはずかしくないように、との気持ちから」。

 一方で、選手の気持ちを最も理解できる存在だ。たとえば、スコアが悪い選手にインタビューの要請があった際は、「トイレで泣いて、いらっしゃい。気分が落ち着くまでメディアの皆さんにはお待ちいただくからね」とやさしい言葉をかける。気配りの人だ。当然、信頼関係が増す。だから、若手からベテランまで美重子さんとファーストネームで呼ぶ。

 「私の夢は、来年の東京オリンピックでLPGAの選手が世界の頂点へ立つこと。金メダルを首から下げた雄姿をぜひ、ぜひ見せてほしい」と語った。ちなみに、ファーストネームで呼ばれると、女性は美しくなるそうだ。心も体も変化する。美重子さんが教えてくれた。

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