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2019.5.12

微笑みの天使 渋野日向子−公式戦を制す

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 2019年LPGAツアー公式戦の第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)大会最終日が5月12日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部・東コース(6,560ヤード/パー72)で行われ、20歳の渋野日向子が通算12アンダーで大会最年少優勝を飾った。史上13人目のLPGAツアー初優勝を公式戦で達成。3年シードを獲得し、ニューヒロイン誕生に会場は祝福の歓声がなりやまない。1打差の11アンダー、2位はペソンウ。3位は通算7アンダーの穴井詩が入り、連覇を狙った申ジエは通算イーブンパー、16位に終わった。(天候:晴れ 気温:17.4℃ 風速:3.8m/s)

 祝福のウォーターシャワーを浴びる。涙がスマイルへ変わった。渋野日向子。ニューヒロインの誕生である。史上13人目、LPGAツアー初優勝を公式戦で飾った。20歳178日は、今大会最年少Vのおまけまでつく。

 優勝を決めた18番のパーパット。大器を示す言葉が飛び出す。「その前、2メートルのバーディーパットが決まらなかった。次がウイニングパットとはいっても、すごく恥ずかしい。だから、苦笑い…。でも、だんだんとうれしさがこみあげてきた。うれし涙をいつ流したかを考えたら、高校2年の全国高等学校選手権の団体戦で優勝した時でしたね」。

 ゴルフ人生を左右するような大一番だった。第2日に2位タイへ浮上し、第3日は首位。最終日、最終組で昨年の韓国ツアー賞金ランキング2位と、一騎打ちを展開した。プレッシャーなど、みじんも感じさせないキャラクター。しかし、この日は状況が違う。「いつものように、とは思ってはいたけど、スタートのボギーはやっぱり緊張していたからでしょう。でも、まだ17ホール、残っていた。大丈夫と言い聞かせました」と明かす。気持ちの切り替えのうまさは、ベテランをしのぐ。パー3の2番、5Wで3メートルにつけた。アッという間にボギーを帳消しに。

 5番のパッティングも、大ギャラリーをうならせた。10メートル以上のバーディーパットを、まるで狙ったかのごとく決めている。「カップを過ぎたら、下りの傾斜ですからね。距離を合わせて、寄せるだけのパッティング」と説明した。試合は終始、ペソンウとのマッチレース。明暗を分けたのは、16番だった。フェアウェイ中央に、松の大木が鎮座。渋野は、「バンカーが右サイドにあるし、左方向がいい」と直感にしたがった。このホールをパーで切り抜けた。一方のペは、第1打でフェアウェイをキープしたが、第2打が右の林へ。ダブルボギーを叩く。2ホールを残し、2打差がついた。

 とはいえ、渋野の表情は変わらない。微笑みの天使を思わせる。今大会で全国区の仲間入りを果たした。好感を抱くのは、くったくのない笑顔。見る人が幸せになるような−と注釈がつく。「笑うようになったのは、去年から。高校まで喜怒哀楽をすぐに出してしまった。以前から考えていたんです。ステップ・アップ・ツアーへ出場した時など、感情をあらわにするとスコアを落とす傾向が、すごくあって…。気をつけていたら、だんだん笑顔でプレーができるようになった。トラブルでも、笑っていれば、何とかなるかなぁとも思ったからです」。笑門福来を地でいったのだ。というわけで、「今回、特に気をつけたのが感情面。ミスをしてもイライラしない。表に出すと、ボギーやダブルボギーにつながります」と戒めたそうだ。

 優勝会見できょうは、どんな日-の質問に、「生まれて一番うれしいのかなぁ。最終プロテストで合格した時よりもうれしい。だけど、去年、(アース・モンダミンカップ第1日で)ホールインワンの方がうれしかったかもしれない」とジョークをまじえて話した。ちなみに、この時の副賞は600万円。今回は、その4倍の優勝賞金である。「まだ、(目録の)パネルをいただいただけですね」と、ひと呼吸ついてから勝因を、「やっぱり、笑顔じゃないでしょうか。公式戦で日本人選手が優勝したのも久しぶりなんですね。だけど、私で、本当によかったのでしょうか」。いいんです。新時代到来を告げる72ホールの熱戦は、記録にも記憶にもバッチリと残ったからだ。

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