ニチレイレディス　最終日

李知姫が接戦を制し、涙の今季初優勝

　2011年度LPGAツアー『ニチレイレディス』（賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円）の最終日が、千葉県千葉市の袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース（6,548Yards／Par72）で行われた。

　天候：曇り、気温：23.5℃、風速：2m。時折晴れ間が覗く穏やかな天気となった最終日。優勝争いは初日から首位を並走する韓国の李知姫（イチヒ）と佐伯三貴、そして最終日一気にスコアを伸ばした表純子の三つ巴の戦いとなったが、終盤の4ホールで3つのバーディーを奪った李が混戦を抜け出し、昨年8月以来の涙の今季初優勝を飾った。2打差の2位には佐伯三貴。さらに1打差の3位タイには、表純子とイナリ（韓国）が入った。

　「最終日を迎える前から“絶対勝つんだ！”という強い気持ちを持ってプレーしようと思いました」という李。その意気込み通り、前半は1番、3番、7番と攻めのゴルフでバーディーを重ね、同じ最終組の佐伯とデッドヒートを繰り広げる。互いに一歩も譲らないまま、勝負の決め手となったのは17番パー3。ティーショットは李、佐伯共に4ヤードほどのバーディーパットを残したが、「同じ組の横峯さんに、どちらのボールが遠いかを見てもらって、私が先に打つ事になりました。上りのラインだったし、自信が有りました」というバーディーパットを先に決めると、続く佐伯はバーディーパットを決めることが出来ずにパー。これで2位の佐伯らとの差を2打とし、勝負を決めた。「3日間で振り返って今日が一番ショットが悪かったですけど、そのかわりパッティングが良かったです」という一日を象徴する場面だった。

　「今日は朝から優勝するんだと決めていました。いつもはそんなことなかったけど、絶対優勝するんだと自分に言い聞かせていました」。東日本大震災後、李はバーディーを一つ取るごとに、10万円を寄付すると決めた。「強い気持ちがプレーに繋がった3日間でした。東北の神様が付いてきているようです。バーディーも100個を超えたと聞いてびっくり。もっと頑張ってチャリティーに協力したいです」と今季獲得している122個のバーディーはLPGAツアーで1位。「今年はショートアイアンが良く、バーディーがたくさん取れています。バーディー数も1位になったことを先週聞きました。いままでには無かった変化です。今後は賞金女王を目指したい。前から女王になりたかったので」。この優勝で確かな手応えを掴んだ李が、今後も東北への支援の思いを原動力に、バーディーを積み重ねる。

佐伯三貴 （2位：-10）
「ボギーが多すぎますね。これでは勝てないです。今日が（3日間で）一番調子良くて、自分の中では積極的に攻めていくことができたので悔いはないです。結果は残念ですが、最後まで強気のゴルフができたので満足です。14、16番のボギーは周りが気になってしまって集中できなかったです。でも沢山のギャラリーの方が来てくださったのはありがたかったです。今週は全部ピンを狙っていったので、メリット、デメリットありましたが、3日間いいゴルフができました。来週休んで修正して、また勝てるように準備をしたいと思います」。

表純子 （3位タイ：-9）
「後半の最後のほうでバーディーを取れなかったのが痛かったです。16番でスコアボードは見ました。18番でバーディーを取りたかったんですが、3打目はミスでした。今朝の練習でスイングが速かったので、岡本（綾子）さんからは、ゆっくり振るように言われたんですが、そのとおりにできたと思います。プレッシャーはあまり感じず、優勝というよりも一つでも上の順位を目指してやりました。（岡本門下の）妹弟子たちの応援は心強かったです。いつも応援する側で、されるのは久しぶりだったので（笑）」。

イナリ （3位タイ：-9）
「（同組の）イボミさんとは歳が一緒で友達なので、前から一緒に回りたいと思っていたし、今日は一緒にできて勉強になりました。スイングのリズムがゆっくりで、1番から18番まで変わらないところがすごい。自分ではまだそのところができていないです」。

不動裕理 （6位タイ：-7）
「（6番から5連続バーディー）チャンスもあって、なかなか入らなかったけれども、久しぶりのアンダーでよかったです。（来週の）お休みの前にいい気分で終われて安心しました」。

横峯さくら （6位タイ：-7）
「調子は昨日ほどよくなかったです。佐伯さんも李さんもパッテイングがよく打てて入ってるし、途中からギャラリーになってしまいました。でも終わってみれば2アンダーだったので、良くも悪くもなく、という感じです。パッティングについては届かないと入らないとわかっていても、自分のフィーリングと合ってないという一日でした」。