2位へ浮上 大里桃子『名前で覚えて』

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

日本女子オープンゴルフ選手権　COCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコース QUEENコース（三重県）第2日

　切磋琢磨。大里桃子がプロの意地をみせた。「最近、テレビ中継でよく、渋野の親友と紹介されます。間違ってはいないけど、ギャラリーさんから、そう呼ばれる。ちょっと複雑。しっかりと名前で覚えてほしい」と小声で、耳打ちされた。

　LPGAツアー2勝目が、日本女子オープンなら自身をPRする絶好のチャンスだ。気がつけば、日本人選手の最上位。通算11アンダー、2位で、第2日を終えた。６バーディー、１ボギーの内容に、「1Wが安定していた。クラブがよく振れる。不安要素が全くない。ピンチもあったけど、アプローチでしのげる。すっきりしたゴルフができるようになった」と分析する。

　ゆったりとしたリズムで放たれる、ダイナミックなショットが持ち味。だが、信じられないような不調に陥った。日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯、最終日で79の大叩きが原因だ。「翌週のデサント(レディース東海クラシック)は、1Wを1日に3回ぐらいしか使えない。とにかく、大荒れでした」という。大一番を前に、持ち前の修正力が存分に生きる。「トップの位置で、クラブヘッドが見えていたので、スイングを少しコンパクトに。おかげで、よく振れるようになって自信が回復してきた」と明かした。

　現在、賞金ランキングは58位。「(シード権争いを)考えていないわけではない。でも、考えすぎることもプラスではない。結果にこだわらないで、ひとつひとつ丁寧に積み重ねる。勝負は、ここからです」と、自身の可能性に賭けている。いつの日か渋野を、「大里の親友と呼ばせる」という意地が、見え隠れしたことも実に頼もしかった。

(メディア管理部・森谷　清)