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2019.11.29

終戦にあらず 鈴木愛、バラードで上昇

<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第2日

 ボールが1周してくるりんと飛び出した。鈴木愛、12番のバーディートライのシーンだ。プロゴルファーの特効薬といえば、やはりバーディーである。この日もツキがなかった。「ストロークは完璧。どんなことがあっても、楽しくプレーしようと思ったけど、ここまでうまくいかないと…。なかなかプラス思考にはなれなかったです」という。

 そして、「ひとつひとつのプレーが悪いわけではない。ちょっとした風の変化や、タテの距離感。グリーンのラインなどが、ほんの少しだけ合っていなかった。スコアに結びつかない。きょうの目標は、5アンダーでしたからね」と勝負の皮肉に少しだけ、恨み節だ。

 完璧主義者の典型だ。誰よりも練習をこなして、次の日へ備える。だからこそ、ここ1カ月で3勝、2位1回の離れ業を演じたのだ。「今回は、優勝だけを狙っている。その気持ちに変わりはないけど、ここまで出遅れると、ですね…。優勝が10アンダーとすれば、私は11アンダー。ちょっと厳しい。今は、(賞金女王を争う申と渋野ではなく)違う人に優勝してもらうしかない。ちょっとだけ思っています」。少しだけ弱気の発言も飛び出した。

 とはいえ、日本には、わび・さびに代表される通り、不完全の美を求める独自の精神もある。通常のルーティンではなく、この日は食事をしてから練習場へ向かった。うまくいかない時、落ち込んでいる時は例外として、「バラードを聴きながらボールを打つ」を実践。その姿はエレガントで美しかった。「ハイスコアが欲しいです」。クラブハウスを後にする直前、口にした。エレジーなど、にあわない。

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