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2013.9.15

日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日

イボミ、死闘を制する! 笑顔も凍る6ホールプレーオフ

 LPGAツアーの公式戦『第46回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』。北海道恵庭市の恵庭カントリー倶楽部(6,682ヤード/パー72)での最終ラウンドは、雷雲接近など荒天のために午前11時、競技中止が決定。54ホールで打ち切られた。

 午後1時から、首位で並んでいた比嘉真美子、イボミ(韓国)のプレーオフが行われ、イボミが6ホール目で比嘉を振り切り、日本ツアー通算4勝目、公式戦2勝目をあげた。(天候:雨、気温20.6℃、風速:2.7メートル)


 プレーオフは16番、15番、16番での3ホールのストロークプレーの後、サドンデス方式で15番と16番を繰り返す。流れがガラリと変わったのは、4ホール目の15番。イボミの第2打が風の影響を受け、グリーン奥のラフへオーバーする。対する比嘉は、第2打で2・5メートルにつけた。つとめて平静を装ったかのようなイボミの心中は、緊張で揺れ動く。「どうしようかなぁ。安全のために9番アイアンでのチップショットでいこうと思った。でも、キャディーさんから、SWで、といわれたのがうまくいきました」。22ヤードのショートアプローチを、ピンから1.2メートルにつける。これを決めてパーをセーブした。一方の比嘉は、バーディーチャンス。しかし、これが決まらない。ここまで、常に比嘉がアドバンテージを握っているように感じたが…。

 続く5ホール目はともにパー。再び、15番での6ホール目を迎える。イはきっちりとフェアウェイをキープ。ところが、比嘉のティーショットは、フェアウェイ左の池へ。精密機械のようなスイングが突然、崩れた。


 「完全なミスショット」。一瞬、表情が曇ったが、すぐさま、気を持ち直す。「今やるべきことだけを考えました」と、打ち直しの第3打に集中する。残り155ヤードで7番アイアンを選択したが、微妙にリズムが狂う。今度はグリーン手前の池のふちをバウンドし、ラフへ。チップインを狙った第4打も決まらない。ライバルの苦闘をチラリと確認して、イボミは残り87ヤードの第2打で安全策を取った。「ピンが手前に変わっていたから、バックスピンがかかると、池へ入る可能性がある。このあたりが「ボミさんは、ステディでした」と比嘉が評したところ。2パットでパーをセーブし、今季初優勝を公式戦で―という離れ業を演じた。


 「緊張していて、笑おうとしても顔が引きつってしまう。とにかく、緊張しっぱなしのプレーオフでした」。そんな状態でも、正確なショット、パッティングを支えたのは、大会期間中、クラブハウス内に飾られていた優勝者へ贈られる「日本女子プロゴルフ選手権杯」。歴代女王の名が刻印されている。「最初に見た時から、とてもきれいでした。私の名前も刻んでほしい。名前を残したい。毎日、カップの前でそう思っていました」。念ずれば花開く。大きな優勝カップを大事そうに公式会見へも持ち込んだ。

 「優勝はひとりでは無理。運があったと思います」。日本ツアーでは通算4勝。その内の3勝がプレーオフでのものだ。キュートな外見とは対照的に、プロフェッショナル精神は人一倍。「左胸のスポンサーワッペンがプレー中、ドキドキして汗をかいたので、何度も取れそうになった。打ち終わると、取れていないかと毎回、確かめました」。ちなみに、次のターゲットは「日本女子オープンと、賞金女王」と宣言した。女子プロ日本一のプライドは、後半戦のツアーで、快進撃を続ける日本の若手選手の脅威となりそうだ。


 史上最年少で公式戦制覇を目前で逃した比嘉真美子も、敗れたとはいえ健闘が光った。なるほど、「今日だけでなく、今大会のすべてに悔いはありません。調子がいいだけでは勝てないことを学びました」と前向きだ。そして、「特にマッチプレーは、勝った選手を心から祝福するのが、当然だと思う。私はすべきことをしました」と付け加えた。勝負が決まって、2人が健闘を讃える。両者の戦いを見守るギャラリーの心を打つような、記憶に残る名シーンだった。


不動裕理 (3位:-7)
「天気には勝てません。何事も自分へいい状況だと思うことにしているので、ゴルフの神様が雨を降らしたのかもしれません。ようやく、パッティングが良くなってきた。それと比べ、ショットが、いまひとつだけど、今回のような難しいコースでも上位へ行けるのだから、きっかけがつかめました」。

原江里菜 (4位:-6)
「おとなしく帰ります。ものは考えよう。自分が勝つときは、ちゃんと4日間やっていただいて…。今週は、とても調子が良かった。仮に今日のような悪天候でプレーしても、順位を落とすことはなかった、と思います」。

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