2020.1.8
鈴木愛~うぶだし・エピソード③
<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>
プレーを語っても、自身のゴルフは語ったことは驚くほど少ない。小学5年でクラブを握ったことは一般へも浸透しているが、原点は9番アイアンと125ヤードだったことは知らなかった。ビギナー当時、コーチから、手ほどきを受ける。最初の教えはスイングをつくるよりも、ボールをクラブへ当てろ。
「とにかく、クラブを振れ。9Iで125ヤードを飛ばせなければ、話にはならない、と言われた。私が週に1度、通っていた練習場がちょうど125ヤード。ネットへ届くまで振り続けた。絶対、飛ばしてやろう。意地でもやってやると強い意志で頑張った。おかげで、1カ月もかからず、125ヤードをクリアできた時は、すごくうれしかったです」。思い出したように、笑いながら言葉が弾んだ。
徐々に形をつくっていく。次のターニングポイントは中学2年。ゴルファーの財産ともいえるパット・イズ・マネーを叩きこまれたのだ。「ショットはそれほどでもなかったけど、とにかく、パッティングがへたくそ。がむしゃらにプレーしているだけでした。コーチからはいつも、パット・イズ・マネーだ-といわれ、意味は何となくわかるけど、そんなに大事なことかなぁ。疑心暗鬼でした」という。
パッティングは感性。ある日のことだった。「コーチとラウンドしていたら、カップへすごく入りました。練習をした成果でしょうね。入れば、だんだんおもしろくなる。その日のラウンド中、抜群にうまい、とホメられた。エッ、私…。そうかなぁと思っていたら、もっと練習を積めば、いい選手になれるから頑張れ。その時、本当にパット・イズ・マネーの意味がわかった気がした。パッティングが良くなれば、スコアも良くなる。もっと練習をしよう。パターが大好きなクラブになったのは、あの日です」と、名手への道を踏み出した。
現在、LPGAツアーで抜群の練習量といえば、やはりこの人の右に出るものはいない、といわれる。ただし、「練習は、大嫌いでした。好きになったというのか、本心から練習をしようと肝に銘じたのは、プロになってしばらく経ってからです」と振り返っている。プロ2年目の2014年、劇的な変化が起こった。それは、また別の話-。
=つづく
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