サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント　最終日

フィナーレは同級生の直接対決
成田が圧巻のプレーオフ3連勝で今季3勝目を飾る

　2014年度LPGAツアー第19戦『サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント』（賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円）の最終日が、茨城県稲敷郡のイーグルポイントゴルフクラブ（6,528ヤード／パー72）で行われた。

　熾烈な優勝争いは通算16アンダーで並んだ成田美寿々、香妻琴乃によるプレーオフに持ち込まれ、1ホール目でバーディーを奪った成田が今季3勝、ツアー通算5勝目を飾った。1打差の3位はイナリ（韓国）となった。
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「並んでるより追いかける方が好きなんで」。そう余裕で語り、追撃を誓って成田美寿々は最終日をスタートした―が、幸先よく1、2番で連続バーディーを奪い、あっさり首位のイナリを追い抜いてしまう。「あれ、抜いちゃったなと思いました」と緩みかけた成田のエンジンを再始動させたのは、成田と同級生でホステスプロの香妻琴乃だった。

「上位に入って大会を盛り上げたい。優勝争いをしたい」。強い使命感を持って、首位と4打差からスタートした香妻は、前半だけでスコアを4つ伸ばし、優勝争いに浮上する。「8アンダーを目標にしていました」と折り返しの10番からも攻撃ゴルフを続けバーディーを量産、ついに成田を抜き去り単独首位に立った。
成田は追い抜かれたのは分かっていたという。「前の2勝はスコアボードを見ていないです。今日はボード見ていました」。これで成田のエンジンが再始動した。「何だかんだで同じ年に負けたくないです」。持ち前の勝負魂に火をつけ、14番でバーディーを奪い1打差とすると、17番でもバーディーをねじこみ、16アンダーでホールアウトしていた香妻に並び、勝負をプレーオフ決戦に持ち込んだ。

同級生対決となったプレーオフだが、レギュラーツアーでは初めてのプレーオフとなる香妻に対し、成田は過去2戦2勝と経験値では圧倒的な差。「プレーオフに持ち込んだ際は、負けずにやっていきたい。気持ちの強さは誰にも負けないと思っています」と自分の型に持ち込んだ成田が1ホール目でバーディーを奪い、白熱の最終日の戦いに終止符を打ちつけた。
これで今シーズン目標としていたメジャー勝利とシーズン3勝目を達成。その理由を本人は「平均的に全てのレベルが上がっていますが、一番は気持ちですかね。メンタルだと思います」と分析している。賞金女王レースについて問われると「毎試合アンちゃんを意識しながらやっていきたい」と不敵な笑み。これで今週からはじまったオリンピック選考レースも一歩リードした21歳は、今間違いなくLPGAツアーの中心にいる。

香妻琴乃 （2位：-16）
「悔しいは悔しいです。プレーオフ以外は目標にしていた8アンダーにいったことと、落ち着いて一日楽しめてラウンドできました。プレーオフも私の今できる精一杯をやったので、最後のパットは手が出せなかったけど、やれることはやれたかなと。（賞金ランキングも上がりシードについて）あんまり考えないようにしています。今は試合にたくさん出るチャンスを作って、早く優勝することを目標にしています。私以上にみんな悔しいと言ったり、泣いてくれたりしたので。本当は勝ちたかったなと思います」。

イナリ （3位：-15）
「なかなか伸びなかったですね。チャンスがなかったですし、チャンスがきたのも取りきれず…。でも17、18番でしっかり打って決められて次に繋がるゴルフだったと思います。成田さんが前半どんどん伸ばしていっている中で、ついていきたい、伸ばしたいという気持ちがあったのに伸ばせなかったけど、ラスト5ホール頑張ろう気持ちを切り替えたのが良かったです」。

木戸愛 （5位タイ：-13）
「ショットもつけられず、パッティングも打てずで、追いかける立場なのにスタートダッシュをかけられなかったけど、その中でも1打でも上に行きたいという気持ちで最後の最後まで集中力を切らさずに出来たのは大きな収穫になりました。来週に繋がります」。

東浩子 （5位タイ：-13）
「今日は緊張もしなくて、楽しく回れました。最終組のメンバーで和やかに、優勝争いのガツガツした雰囲気ではなく、いろいろ話ながら本当に楽しく回れました。今日も昨日に続いてノーボギーで回れたのは自分で評価してあげたいけど、優勝争いしているなかで短いチャンスを3回外したので、そこが課題だと思います」。