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2020.6.5

感謝の30周年⑧~女王のステップ・アップ・ツアー 鈴木 愛㊦

<Photo:Chung Sung-Jun/Getty images> 

 2020年、ステップ・アップ・ツアーは30周年を迎えました。長い歴史の中で、さまざまな強化策が行われ変遷していきます。

 特に13年からJLPGAは、本格的なツアー強化策をスタート。19年、2度目の賞金女王へ輝いた鈴木愛は、プロ初Vがステップでした。時代がトッププレーヤー誕生を後押しした-といっていいでしょう。14年、ツアー初優勝が公式戦という偉業を達成。ただ、プロの礎はアマチュアから参戦したステップ10戦にあったそうです。

 賞金女王のタイトルを2度獲得した鈴木愛のキャリアで、2014年は運命のシーズンといえるかもしれません。日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で、アッと驚く公式戦制覇。一躍、トッププロの仲間入りを果たしたわけですが、しみじみと振り返るのは、「ステップで何度か、優勝争いを経験したことが大きい。おかげで、選手権もガチガチに緊張することなく、しっかりとプレーができた」。

 さかのぼってみるとアマチュア時代、プロトーナメント初出場は2009年、地元の香川で開催されたステップ・アップ・ツアー、マルナカレディースオリーブカップ。25位タイの成績でした。「すごく緊張しました。プロにまじってプレーするプレッシャーがあったから…。前夜からドキドキして寝つけない。楽しみだったけど、こんな気分は初体験。でも、参加するだけではなく、とにかく勝ちたい。そう思って会場へ出かけた。若かったですね」と、照れくさそうな口調で話した。

 第1日、プレッシャーに押しつぶされ、すべてがうまくいかない。79を叩き、84位と出遅れた。が、最終日にはふんいきに慣れたのだろう。持ち前の粘り強さを発揮して、71。アンダーパーで意地をみせた。アマ2戦と合わせ13、14年はステップ10戦へ挑戦。14年、開幕戦のラシンク・ニンジニア/RKBレディースでステップ2勝目をあげた。

 「そういえば」と、本人が語るのは、初優勝と同じで、母・美江さんの第六感。「中国新聞の時もそうだったけど、あの時も母が優勝できるような気がする、といっていた。福岡カンツリー倶楽部和白コースは今、大好きです。しかし、当時は日本女子オープンの予選会で落ちたこともあり、あまりいいイメージがなかった。私は、ラシンクへ出場する前、今回もダメだろうと自信はまったくなかったけど、母がとにかくイケる気がすると…。で、実際に優勝できたわけです。それだけに、私よりも母が喜んでいました。その後、17、18年と和白で開催のほけんの窓口レディースでも優勝。苦手意識を払しょくできた、ステップ優勝のおかげです」と、不思議な縁を教えてくれた。

 プロにとって優勝ほど、自信が増す処方箋はないだろう。ステップ・アップ・ツアーへ感謝を続けた。「いろいろな経験をさせてくださった。ずっとずっと忘れません。優勝はもちろんですけど、プロになって心からうれしかったのは、試合でお金を稼げるようになったことでした。アマチュアの時からゴルフを続けるために、経費がかかる。だから、お小遣いだってそれほどもらうわけにはいきません。でも、賞金を稼げば、少しずつおしゃれな服などを、自分で買えるようになっていった。決して、高価なものではないけど、うれしくてたまらない。プロになった、と実感したのはそんな時でした」。電話の声が弾む。19歳の思い出をかみしめながら、シーズン開幕を待っている。

=おわり

取材、データ構成=メディア管理部・中山 亜子、鈴木 孝之、宮崎 善秀

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