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2021.5.29

円月と猛虎 勝みなみが来た

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

リゾートトラスト レディス セントクリークゴルフクラブ(愛知県)第3日

 勝つなら、回せ。ちょっと耳慣れない言葉が、勝みなみがそんなイメージを大切に、今大会奮闘中だ。この日は6バーディー、3ボギーの69。首位から1打差の2位タイで最終日へ挑む。今年初の優勝争いに、「久々、上位で最終日。すごくうれしい。今大会は3年前、プレーオフで負けたことがある。スタート前、関係者の方が元気づけてくださった。有難い。そしてうれしかった」と表情がほころんだ。

 決して、絶好調ではない。むしろうまくいかない悩みが大半の状態だ。しかし、「今回のテーマは、これがいい-を発見すること。素晴らしいコースで、セッティングが難しい。いろいろなことを試している」と、プラス思考で臨んでいる。その気持ちが11、15番でクラブへ伝わったに違いない。この2ホール、58度でチップインバーディーを決めた。「あのふたつは、本当に大きい。短いチャンスを外したけど、バーディーがたくさんとれた」と、うれしそうだ。

 最終日へつながるといえば18番だろう。グリーン手前まで4Iで第2打を運び、第3打は54度で転がすアプローチを選択。ピン上1メートルにつけて楽々とバーディーフィニッシュを決めている。

 つかんだのは、ショットのイメージ改革。「インパクトで円を描くように、柔らかく。今まで、クラブを体の近くに、とインパクトしたことが、逆にきゅうくつなスイングになっていたかもしれません。指定練習日で気がついて試したら、いいボールが打てるような気がした」という。感性を重視した、円月殺法の誕生だろうか。

 加えて、ご贔屓のタイガースが前夜、9回に逆転で勝利。「9回の攻撃だけをみました。最高です。早く眠らないと、とは思うけど、気になって眠れません。スポーツ観戦は、やはり元気を与えてくれますね。私も、そんな存在になりたい。タイガースの逆転劇が、きょうのラウンドへつながりました」と、ご満悦だった。

 シーズン中は、「ゴルフとタイガースのことばかりを考えています」とも。次週、全米女子オープン出場のため渡米を控え、猛虎の勢いが伝わってきた。

(メディア管理部・中山亜子)

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