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2021.10.4

勝みなみ黄金の独走-公式競技初V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン公式競技『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円・優勝賞金3,000万円)ファイナルラウンドが10月4日、栃木県那須烏山市・烏山城カントリークラブ(6,550ヤード/パー71)で行われ、勝みなみが通算14アンダーで圧勝。通算6勝目(アマチュア優勝を含む)を初の公式競技制覇で飾った。6バーディー、1ボギーの66をマーク。2位タイの上田桃子、西郷真央に6打差をつける独走だった。これで自身がトップランナーとして君臨する、黄金世代は通算30勝の節目。併せて3年シードを獲得し、黄金色の1日だった。
 3週連続Vを狙った西村優菜が通算3アンダー、4位。渋野日向子は通算2アンダー、5位タイ。
(天候:晴れ 気温:26.3℃ 風速:2.9m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22.5mm》

 圧勝だった。別次元のプレーを随所で披露。これぞ黄金世代、トップランナーの面目躍如といっていい。勝みなみの言葉には目的達成、満足の気持ちが込められていた。

 「アマチュアの時から、日本女子オープン優勝は夢。いつかは勝ちたい。プレー途中で涙が出そうになった。1ホール、終わるごとに優勝へ近づく。きょうはナイスプレーでした」。

 最高難度の17番、第2打の直後、ギャラリーから少し早い祝福の大向こうがかかる。「優勝おめでとう-と声をかけてくださった。そうだ、優勝にまた近づいている。その時、いろいろなことが脳裏をよぎって、涙がこぼれそうになりました」と話す。

 アマチュアで出場した16年の今大会、12オーバーで予選落ち。5年の歳月を経ておそらく隔世の感があった。勝負は最後の最後までわからないが、この日の安定感を思えば、無理はない。

 それだけに、18番で叩いたボギーが悔やまれる。「どうしてもパーでホールアウトしたかった。いい締めくくりができないのは残念。(冷めたような表情になったけど)心の中ではすごくうれしかった」と加えた。

 楽な優勝など、ない。スタートから試練が待っていた。1番で3メートル、続く2番も4メートルのパーセーブ。「1番でパーをとれなければ、流れがつかめない。苦しかったけど、アドレスして構えた時、これは入る。そんな予感があった。2番も同様で、これが決まれば、いい流れが絶対に来る。苦しかったけど、良かった」と振り返る。

 勘働きというものだろう。3番では残り95ヤードの第3打を54度で左横2メートルへ。チャンスが訪れ、バーディーを奪う。そして、7番では70センチ、後半へ入った10番では20センチと、ショットの切れ味が増して要所、要所でバーディー奪取。つけ入るスキを与えない。最終日も大混戦が予想されたが、6打差をつけて完勝。

 抜群の安定感をもたらしたのは、プロ初Vの際、使用したパターである。「前週までパッティングで悩んでいた。特にスライスラインです。試行錯誤した末、プロ初優勝の時に使っていた32インチへ戻すことを決断したのが、前週の最終日。それまで33インチを使っていたけど、短いシャフトのパターを使い、前傾を強めたらすごくいい。良かったです」と上昇の舞台裏を明かす。

 一方で、トレーニングを続けながら飛距離アップを果たした努力も忘れてはならない。飛距離のアドバンテージを今回ほど感じた、またアピールしたことはなかったのではないか。

 「今回は日増しにグリーンが硬くなっていった。ウッドで狙うのと、アイアンショットで狙うのは、やっぱり違います。それから、1Wでフェアウエイが多かった。週3回、行っているトレーニングのおかげ。努力を重ねた結果です」と胸を張って答えた。

 これでアマチュア時の日本ジュニア、日本女子アマ、日本女子オープンのローアマを加え、史上3人目の4冠を達成。併せて、ノドから手が出るほど渇望した3年間のシード権を手中にした。

 「来年のUSLPGAのQスクールを受験します」と宣言する。自身が、高校1年でJLPGAツアー制覇を果たして、黄金世代が躍動する源をつくったのだ。節目の黄金世代通算30勝目は、トップランナーとしての大いなるアピールである。JLPGAツアー新時代は、この人から始まったのだから-。

(メディア管理部・宮崎 善秀)

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