高橋彩華　さわやかに－『一度切りで終わらない』

パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント 浜野ゴルフクラブ（千葉県）

　ツアー初優勝がもたらした自信。高橋彩華の表情はさわやかだった。「メッセージがたくさん、たくさん届きました。こんなにも、私の優勝をまってくださった方がいたことにビックリです。皆さんから、お祝いしていただきました」と、うれしそうに話している。

　もちろん、いい笑顔は調子の良さを物語る。「体は元気だし、ショットの調子は悪くない。このまま行きたいです。でも、400ぐらいのメッセージに５、６時間もかかるなんて…。心を込めて返信しました」という。

　勝てそうで勝てない状況を、ようやく打破。それも、最終日、最終組で堂々のパーフェクトVを達成した。負のスパイラルから見事に脱出。一気に言動までが超がつくほど、前向きになっている。「次に最終日、最終組でも怖くはありません。負けるかもわからないけど、不安がなくなった。やれば、できます。あの日はいつもと感じまで違って、気持ちが前向きで、体もよく動いた。いい１日でした。うまく言葉にはできないけど…」と振り返る。

　そして、世界ランクが70位へ。全米女子オープン出場まで視野に入った。ところが、「出場資格を得られて、うまく準備が整えば挑戦したい」と、前置きし、「その前にやることがあります。今大会、私は一度も予選を通過したことがない。アメリカよりも今は、予選通過」へ集中することを宣言した。

　また、「通算２勝目が一番難しいといわれる。(優勝が)一度切りで終わらないように。勢いのあるうちにつかみます」とも。ちなみに、時は金なり－を実践するため、初V記念で、「腕時計を買いたい。考えてみたら今まで、時計をひとつも購入したことがありません。だから、腕時計です」と、つぶやくように語っている。

　なるほど、パット・イズ・マネーと、タイム・イズ・マネーはプロゴルファーの鉄則だった。