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2023.5.20

山下美夢有、パットを活かしたマネジメントで単独首位に

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第12戦『ブリヂストンレディスオープン』(賞金総額1億円/優勝賞金1800万円)第2ラウンドの残りと第3ラウンドが5月20日、愛知県豊田市・中京ゴルフ倶楽部石野コース(6573ヤード/パー71)で行われた。好天に恵まれたこの日、昨年の年間女王・山下美夢有が通算12アンダーで単独首位に立つ。2打差の2位タイには鈴木愛、岩井明愛が並ぶ。さらに2打遅れての4位タイに西村優菜と菅沼菜々がつけている。
(天候:晴れ 気温:25.9℃ 風速:2.2m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23.5mm》

 ショットの調子が良い選手にとって、前日の雨で軟らかくなったグリーンはこれ以上ないご馳走だったのか、第3日は216個のバーディーが飛び交った。完全な伸ばし合いの戦いとなったが、それをある程度予測していたのが山下美夢有だ。第2ラウンドの残り10ホールをラウンドした時点で、グリーンのコンディションを確認。ボールを止めることができれば、あとはどれだけパットを沈めるかが勝負となる。

 コースマネジメントをしっかりと考え、グリーン上のどこにボールを落とせば、バーディーパットを決めやすいのかをイメージしながらラウンド。その結果、「ほとんど傾斜のないところにボールを落とせました」と胸を張る。確かに前半のアウトで奪った4つのバーディーは全てピンの手前につけたものだ。平らに近いライン、もしくは軽い上りのラインを残したことで、1パットでボールをカップインさせる確率が一気にアップ。「タッチとラインが合ったので入ってくれました」と、好調のパッティングに伴い、山下の名前もリーダーボードを駆け上がる。

 後半は惜しいパットが続いたことで、2つしか伸ばせなかったものの、ノーボギーの65と危なげない横綱ゴルフでトーナメントリーダーに立つ。昨年は3度、今年も1度逃げ切り優勝しており、山下にとっては、まさに勝ちパターンに入った。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 今大会も最終日は逃げ切り劇が期待されるが、平坦なラインを残すマネジメントを変えるつもりはない。もちろん、そのマネジメントを成功させるにはショット力も必要となるが、ここにきて、昨年の好調時に近いスイングリズムが戻ってきた。「調子が悪いときはスイングリズムが速くなったり、遅くなったりしますが、今はいい感じです」。感覚的なことなので具体的には説明できないらしいが、山下の表情を見る限りかなりの手応えを感じているのは間違いない。第3ラウンドは18ホール中グリーンを外したのがわずかに1回だったことが、それを証明している。

 「最終日も伸ばし合いになると思いますが、パッティングのタッチとライン取りが合うようにしたいですね」と、グリーンをとらえるのは織り込み済みの様子。

 現在、メルセデスランキングでは首位の申ジエと僅差の2位につけている山下。賞金ランキングでは4位だが、今季2勝目を挙げれば、メルセデスランキングはもちろん、賞金ランキングでも首位に立つ。昨年の年間女王がJLPGAツアーをリードするのはまさに時間の問題だ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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