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2023.8.4

努力を重ね-葭葉、大出 好スタートの理由

葭葉ルミ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

北海道 meiji カップ 札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)第1日

 猛暑の連戦。今大会は北海道とはいえ、蒸し暑くそれはもう集中力の勝負だった。5アンダー、3位タイの葭葉ルミは達観したように、「ようやくショットが落ち着いてきた。フェード系で行った方がいい」と、ほほ笑んだ。同時に集中力を示したのは、パッティング。何と22パットでこの日、第1位である。

 前日、「すごく体調がいい。絶好調です」と宣言。その言葉通りのスタートだ。しかし、序盤に最大のピンチが-。「インスタートの12番。第1打でナイスショットだったけど、木に当たり、真後ろへ30ヤードも戻ってしまった。それからバンカーへ入れて・・・。第5打もカラーからです。当然、ボギーを覚悟したけど、うまくパーセーブができた。本当にナイス。きょうのキーホールだと思います」。

 もっか体を止めないように、アプローチ感覚で打つスイングを身に着けようと奮闘中だ。加えて、前週は、「熱中症なのかなぁ。声が出なくて」とも。だが、夏場は得意の季節である。ここでやらなければ勢いがつかない。2017年、苦い思い出が。「夏場に熱中症にかかって、1カ月は頭痛が治まらない。本当につらかった」と漏らした。

 それがきっかけになり、「増量してもっと飛距離を伸ばすことに取り組んでいたけど、きっぱりと止めました。7キロ減量して今の体形に」。自己管理をすることもプロの大切な資質である。

大出 瑞月<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 また、同じ3位タイの大出 瑞月は今大会、5回目の出場。だが、予選通過はこれまで1度もない。「コースが得意だなんて、とてもいえません。前半、イーブンパーでプレーできれば、そんな感じでスタートした。でも、スタートの10番で左手前から8メートルのバーディーが決まり、次の11番で残り164ヤードの第2打を6Iで、ベタピン。ピンから25センチのバーディーです。バーディーを狙ってとったわけではない。とにかく、欲を出さずに、グリーンのセンターを狙って」と、ごく控えめである。

 続けて、「きょうはラッキー。例年と違い風がなかった。それから、私のことをいえば、コースマネジメントと表現するより、判断が良かったと思います」。後半は7番から3連続バーディーフィニッシュだ。「得意がなければ、苦手はありません。いい意味で、きょうは力が抜けていた」。好スコアの裏には、誰も想像できない苦悩が隠されている。

(青木 政司)

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