2015 ルーキー特集 第5回

昨年のプロテストに合格し、今シーズンから本格的にツアーに参戦する26名のルーキーたち。連載第5回は、坂下莉彗子、佐藤千紘、新海美優、竹内美雪の4名をクローズアップします。

坂下 莉彗子　サカシタ リエコ
1990年5月7日生まれ　兵庫県出身　プロフィール

　将来の目標はまだ漠然としている。プロゴルファーとしては「とにかく1勝を目指す。今はそのための練習と経験を積む時」。初めてクラブを振ったのは幼稚園、本格的には小学3年、9歳で坂田塾で入ってから。「最初は厳しくて、辛かった」といい、初ラウンドの感想は「しんどかったー！ ただ、ホールアウトした時の達成感と満足感を今でもはっきり覚えている」と話した。それからはゴルフ漬けの毎日が続く。高校時代は「まだプロのレベルではない。将来のことも考えた」と両親の勧めもあり、同志社大へ進学する。

　大学の4年間（父の言う執行猶予期間）は、様々な意味で『人間力』を磨くことが出来た。卒業時に自分へ何度も問いかけた「一体、あなたは何がしたいの？って」。答えはやはりゴルフだった。決めたからには『てっぺん』を目指す。好きなクラブはドライバー。「思い切って振れる。方向性よりも飛距離重視！」。目指すはアグレッシブな攻めるゴルフと前置きし、「得意は9番アイアン、130ヤードは自信あり」と加えた。

佐藤 千紘　サトウ チヒロ
1991年11月7日生まれ　神奈川県出身　プロフィール

　外見と目標は対照的だった。「一打が上に行き、順位も上に行き、そんな感じで、とにかくひとつずつです。私はゆっくり、ゆっくり着実なものをつかんでいきたい」。優勝などの言葉は最後まで出てこない。しかし、「身長が高いから目立ちます。武器だとは思うけど、目立つから人から怒られやすいタイプ」と苦笑する。得意クラブが、4番アイアンというのも珍しい。ユーティリティークラブが全盛だけに現在、4Iをバッグへ入れるプロも激減中。「2Iまで打てる女になることが目標でした。今はスコアをつくるにはユーティリティーがある。必要がない時代ですけど…」と個性的だ。

　ゴルフを始めたのは4歳。父とスタートは同じ日というのは、「一緒に練習場へ行ったから」だという。加えて、練習場スタッフも親切だった影響が大きい。「幼稚園の庭にどんぐりの木があって、その実を拾って練習場へ持っていくと、ゴルフボールと交換してくれました。きっかけは、どんぐりです」。

新海 美優　シンカイ ミユ
1995年11月14日生まれ　大分県出身　プロフィール

　百聞は一見にしかず。9歳の少女の胸がときめいた。父に連れられ、『ダンロップフェニックストーナメント』でタイガー・ウッズ、翌週の『LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』では、宮里藍を生で観戦。「あんなに大勢のギャラリーの中を、私も歩いてみたい。だから、プロになります」と誓っている。その一念を貫いた。プロテストを一発合格。しかし、山あり谷ありだった。「2次予選がボロボロで、直前にスイングを調整してようやく間に合った感じです。最終プロテストでは合格しても、また狂ってきた。自分のペースでプレーができない歯がゆさをたくさん味わいました」という。

　一方で、一期一会を大切にする。「ゴルフをしていて、本当に良かった。もし、プレーをしていなければ出会うことがなかった、たくさんの素晴らしい方と知り合うことができたからです」と微笑んだ。人生を大きく変えたゴルフ。「これから、どんな出会いがあるか、本当に楽しみです」と結んだ。

竹内 美雪　タケウチ ミユキ
1995年12月7日生まれ　兵庫県出身　プロフィール

　プロになってからの心情を聞いてみた。「自分が練習したボールは、自分で拾う。それが当たり前。その気持ちを忘れずにいたい。私が、手伝うことで、ボールを集める人のお仕事が早く終わります」。意外な答えが新鮮だ。ゴルフを始めたのは、9歳。きっかけは両親が月イチゴルファーだったこと。「私は一人っ子。家で待っているのが嫌だったし、ゴルフをすれば、一緒にいることができる」。

　人生の転換期は、小学6年に。父の仕事の関係で韓国へ移住する。その時、一度はゴルフをやめてしまった。「勉強をしなければいけなかった。中途半端になるよりも、とりあえずは勉強です」。再び、中学時代、クラブを握る。ただし「あの時は、プロになる目標がしっかりと定まっていた。おかげで、集中して勉強とゴルフを両立することができたと思う」と振り返る。逆輸入プロとしてスポットを浴びているが、「今年は一度でいい。大きな経験をしたい」と話した。

次回は 1月26日（月） 掲載予定です