2023.11.23
バンザイが飛び出した 山下美夢有-58度の離れ業
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第1日
第1日とはいえ、まるで最終日のような緊張感が漂う。優勝はもちろん、年間女王が決定する最終戦。山下美夢有は、最大のライバル・申ジエと直接対決だった。
頂上決戦。ハイライトともいえるシーンは3番だろう。グリーン手前の左バンカーから、残り30ヤードの第3打を58度でチップインに成功した。その時、実に珍しいシーンが-。ガッツポーズではなく、バンザイである。
「まさか、まさかです。パーをとれればいいと思っていたから、カップへ入るなんて」と、目を丸めながら、「いや、なんか勢いで先に(バンザイを)やっていた。あの距離かはなかなか入らない。最近、チップインとか少なかったでしょう。めっちゃうれしかった」と振り返った。
とはいえ、スタートの1番でチップインを決めている。こちらは10ヤード。思い出したように、「58度が強く入った。うまく傾斜を利用して、カップへ・・・。すごくラッキーでしたね」と解説する。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
この日は4バーディー、1ボギーの69。欲をいえば切りがないものの、上々のスタートといえるだろう。しかもスコアの波が少ない。この人らしいステディーなプレーが展開された。
「最初は良かったけど、このまま乗って行ける-そんな感じではなかった。きのうまで、ショットの精度は良かったけど、きょうはいまひとつ。打ってはいけない方向へ打球がブレていたし、やっぱりよくなかった。そんな印象です」と話している。
ただし、ゴルフという競技は、パーフェクトということはマレ。だからピンチに備えた普段の鍛錬が勝負を分ける。来るべき決戦に備え、約1カ月前から100ヤード以内のショートゲームをより熱心に練習。すべてが今回のために-だった。
「アプローチがすごく良くなっている。きょうは、ショートゲームに助けられました」。1ストロークの重みが違う、今大会である。
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