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2023.11.26

連覇・連続 山下美夢有が3打差圧勝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円)大会最終日が11月26日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,497ヤード/パー72)で行われ、山下美夢有が通算10アンダーで連覇を達成。あわせて2年連続の年間女王に輝いた。3打差の通算7アンダー、2位は高橋彩華。森田遥が通算6アンダーの3位、女王を争った申ジエは通算5アンダー、4位タイだった。
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《グリーン=スティンプ:9 1/2フィート コンパクション:23mm》

 ツケいるスキはあった。しかし、底力が違う。大会連覇を果たし、史上最年少で2年連続年間女王へ輝いた山下美夢有が存分に強さを見せつけた。

 3打差の快勝、というより内容は圧勝。ウイニングパットを決めると大きな、大きな笑顔で、祝福に応えた。「うれしい。それだけです」。続けて、「スタート前、去年以上に緊張感があった。だけど、それ以上に上位で戦える喜び。第1日から2日間、(女王を争う)申ジエさんと一緒にプレーをし、しっかりプレーできたことで、いつもの私に戻ったことがわかった」と話す。

 序盤、3、5番でボギーが先行。しかし、あわてる素振りなどまったくなし。前日同様に、しっかりと地に足をつけ、チャンス到来を待ち続けた。前半、猛チャージの高橋彩華が首位へ並ばれたにもかかわらず…。

 「前半、ひとつは(バーディーを)とりたいと考えた。ボギーが先行しても、それは仕方がないこと。きれいさっぱり忘れて、次へ向かう。たとえ、悪いことが先にきても、今年はシーズンの平均ストロークがいい。あまり気にはしていなかったけど、2年連続で60台ですから、成長のポイントだと思います」

 8番、ピン手前から11メートルのバーディーを決めた。これすなわち、反撃のサイン。すぐさま攻勢へ移った。続く9番は残り33ヤードの第3打をピン奥1.5メートルへ運ぶ、絶妙なアプローチで連続バーディーとする。


<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 周囲をハラハラドキドキさせても、常に我が道を行く。この自信は基本がしっかりしている証。今夏、海外メジャー挑戦のための遠征で、かつてないショットの不調に見舞われた。「私の持ち球はドロー。でも、海外のセッティングはフェードが有利なところが多く、ドローだけではピンへ寄せられない。適応しようと、修正して今度は逆球が出るようになった」という。

 ささいなことが命取りにつながりかねない。それがゴルフの難しさ。前半4勝をあげ、最善の準備をしていながら、厚い壁が立ちはだかる。後半戦、JLPGAツアーへ復帰したが本人だけが、物足りなさを痛感。「プレースタイルが変わってしまった。リズムが狂い、考えすぎていたりして、いろいろです。自分でやりたいと感じても、それはプラスにはならない。少し、挑戦してダメなら前のスタイルへ戻す。初心に帰る。基本に立ち返ることが、いかに大切かを-学んだシーズンでした」と振り返った。

 だからこそ、開幕前、23年の一文字を質問され『学』をあてたのだ。それでも、約1カ月前、「これで大丈夫」という確信を得て、終盤のタイトル争いへ。今大会も特別なことはしていない。最も、時間を割いたのはボールをひたすら打つことよりも、「セットアップを重視した。ボールは打たない。しっかり向きたい方向へアドレスをしているか。細かく、細かくチェックした」そうだ。

 一方で、ここまでの実績を積み上げれば、周囲は海外挑戦へ-となる。事実、ライバルの多くは24年の米ツアー参戦を目指し、Qシリーズへ出場。だが、「USLPGAツアーですか…。そこまでは考えていない。それより、来年はパリでオリンピックがあります。私にとっても、オリンピックは特別。ぜひ、出場したい」と公言した。

 もっか、日本勢の世界ランキングでは畑岡奈紗に続いて2位につけている。「そのためには私が、しっかりして来年も変わらないことです」。2年目のジンクスを吹き飛ばし、晴れ晴れとした表情でさらなる飛躍を誓った。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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