1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. 小祝さくら 満開を告げる今季初V

2024.3.31

小祝さくら 満開を告げる今季初V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第5戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が3月31日、静岡県袋井市・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,455ヤード/パー72)で行われ、小祝さくらが逆転V。今季初優勝、JLPGAツアー通算10勝目をあげた。1打差の9アンダー、2位タイは岩井千怜、竹田麗央。
(天候:晴れ 気温:23.5℃ 風速:5.8m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:23mm》

 コースの桜はつぼみでも、小祝さくらが5打差を逆転。JLPGA通算10勝目を鮮やかなプレーで、ひと足早く満開をアピールした。

 最終組から2組前。首位に立ってパー5・18番を迎えたが、とてもセーフティーとはいえない大混戦だった。第1打が左ラフへ。ボールはディボットのふちにあった。「もし、ディボットの中にあったら、それこそ大変。ラッキーでした」。3Wの第2打をグリーン手前の花道まで運んだ。そして、第3打でピン50センチへ。見事なバーディーフィニッシュで優勝を手繰り寄せた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 奮起の材料は後半の13番。「移動中、スコアボードを見て、チャンスがあることがわかった。でも、ボギーだけは叩きたくない、と思っていたら、第1打をミス。意外というか、ボギーにしたくないホールで、まさか、まさか…」と振り返る。ところが、逆境を迎え、闘志が燃え上がった。

 今季は好調ながら、惜敗続き。今回は、「気合を入れ直した。まだ、バーディーホールはたくさん残っている。スコアを伸ばせばいい。あきらめない」と奮い立つ。14番、3メートルのバーディーパットが決まってバウンスバックに成功した。勢いに乗って、15番も3メートル、16番が何と8メートルを決め終盤、3連続バーディーの離れ業である。

 「プロ2年目の18年。初めてトップ5フィニッシュした、いい思い出が残っている。コースは難しいけど、我慢をすればきっといいことがある、と肝に銘じたことを覚えています。今回は一日、競技が中止になったけど、それでも脳をフル回転させたせいか、すごく疲れた。加えて、風が強かったせいで花粉がたくさん飛散したのでしょうか。きょうも途中、頭痛がして、苦しかったです」。楽な優勝などない。全身全霊で勝ち取った10勝目は格別の喜びがあった。

 しかも、史上最強といわれる黄金世代で、初めて10勝一番乗り。「同級生はみんな、うまくて強い人ばかり。私は最終プロテストを合格できる気がしなかった。そんな感じですから、とてもツアーで優勝できるとは予想もしていない」と心中を語り、「とても月日が経つのは早い。もう中堅などと言われたりして…。そこで10勝目。予想をはるかに超えています」と、これまで通りの謙虚な姿勢は、さらに好感度が増す。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 また、シーズン中は休みをとらず、すべての試合へ出場を続けていることに、「今季もすべての試合へ出ます。試合に出続けることが私の感謝の気持ち。おかげさまでケガをしないできているし、しっかりと体のケアをしながらやります」と宣言した。

 一方で今季はコーチをつけず、自身で改善点をさぐりながらの毎日。「ここまでやってきて、少しずつわかってきた」そう。たとえをあげれば、前日はショットが左方向へ行くことが多かった。そこで最終日はアドレスで、ボールを右から見る目線でハイボールを打つイメージを取り入れた。「スイングで体が突っ込み気味でしたからね」。修正力という新たな武器が加わった。

 ちなみに、自身の理想のプロを「上田桃子さん。イボミさん」と明言し、「プレースタイルや、人間性など、おふたりのような選手になりたいです」と意外な発言も。そうはいっても、優勝副賞のひとつ水上オートバイをどうする-の質問では、「最近、海が怖い。サメの映画(MEGザ・モンスターズ)を見たら、浅瀬にいてもいつサメが襲ってくるか…。そんな恐怖心が出てくる。年齢のせいでしょうか」との答えに爆笑を誘った。

 試合、優勝会見で披露した演出力も、相当なものだ。

(青木 政司)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索