けがの巧名で一変　高橋彩華－不思議な体験

＜Photo：Yoshimasa Nakano/Getty Images＞

北海道 ｍｅｉｊｉ カップ　札幌国際カントリークラブ 島松コース（北海道）第2日

　的確な練習はうそをつかない。また、けがの巧妙は確かにあることを、高橋彩華は改めてかみしめた。この日、67をマークして4位タイへジャンプアップ。前年、予選落ちを喫した苦手コースで優勝争いに加わった。

　「イメージがでない」と開幕前日は首をひねり続け、必死にボールを打ち続けていたのだ。それがオーバーワークの原因。左親指へ「ツーンとするような痛みが出てきた」という。なるほど、左手にはテーピングが施されている。

　しかし、この日は特に後半、3連続バーディーを含む、4バーディー奪取。「フィニッシュをとるときに痛みが走るけど、ガマンをできないことはない。それどころか、変な力みがなくなってショットが見違えるように良くなった」そうだ。

　さらに、相乗効果はパッティングまで。12、13番＝3メートル、14番では7メートルのバーディーをカップインさせた。そして、16番のバーディーも4メートル。お見事と声をかけたくなるほどだ。

＜Photo：Yoshimasa Nakano/Getty Images＞

　3週前のオープンウィークには祖母孝行の韓国旅行。「気分転換の意味も含め、一日6食を。体重増加などを気にせず、盛大に太りました」と、ジョークをまじえてうれしそうに語った。

　ちなみに、体重増は1キロだったものの、同時に体脂肪が1パーセント増。これには、敏感に反応している。「スイングで体の切れが悪くなってしまうからです。1パーセント増えれば、5ヤードは飛距離が落ちる。今は腹7分目で頑張っている」とも。

　ただし、あすは苦手を得手へ変える大事な使命もある。「コースがコースですから、なるようにしかなりませんね」と、自然体の姿が好印象だった。よけいなプレッシャーがないことは、きっとプラスに働く。

（青木 政司）