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2017.12.2

鈴木愛、賞金女王の底力をアピール

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2017年LPGA特別後援競技、4大ツアーによる国・地域対抗戦『THE QUEENS presented by KOWA』(賞金総額1億円・優勝チーム賞金4,500万円)大会2日目が12月2日、愛知県みよし市・三好カントリー倶楽部西コース(6,400ヤード/パー72)で行われた。この日はシングルス・マッチプレー。日本は通算12ポイントで2位だった。最終日、優勝をかけて韓国との決定戦へ挑む。(天候:晴れ 気温:11.3度 風速:1.7m/s)

 和を以って貴しとなす。日本代表のキャプテン、成田美寿々は優勝のポイントを、「2ボール方式の日本は強い。個人戦とは違い、チームワークで補える。一丸となって優勝します」と話した。和のパワーは、確かにすごい。

 この日、最終日のメンバー提出時間が迫っていた。あと15分前のことだ。鈴木愛が突然、切り出した。「もし、最初の戦いで負けてしまったら、流れが韓国へ傾く。私にやらしてください」と申し出たという。当初、鈴木と上田桃子のコンビは、日本のエースとして、最終組がほぼ確定していた。それをひっくり返す。責任重大だ。でも、大会2日目の鈴木の奮闘を考えれば、先手必勝は勝負の極意。

 韓国のべソンウとのマッチプレーは、一進一退の名勝負だった。お互いが、やられたら、やり返す。ノーガードの打ち合いのよう。「前半は押され気味だったけど、それは相手の出方や戦術を見極めたかったから。ただ、あまり意味がないように感じて、後半から一気に勝負をかけた。パッティングをより強気で」。15番でバーディーを奪い、オールスクエアに戻す。鈴木の表情がより引き締まったのは、17番。

 「スコアボードを見たら、日本は劣勢。どうしても、勝たなければならないと思った」という。気合がボールへ乗り移り、渾身のバーディーパットを沈めた。そして、1アップのままホールアウト。「最高の上がりでした。きのう、誰もいないのにしっかりと練習をした成果ですね」と胸を張る。前日に限らず、いつも最後まで練習場に居残る。賞金女王になったことで、もっとうまくなる-という意識が高まったのだろう。

 「1日目は引き分けでした。調子があまりいいとはいえなかった。その日のミーティングで、(LPGA副会長の)原田さんから、『あなたはエース。2日目は最後のマッチで韓国と戦いなさい。自分らしい、いいプレーを見せてほしい』と話してくださったことが自信になりました。きょう、勝てたのは、皆さんの後押しがあったからです」。和の精神が鈴木へ、より強いパワーを授けた。

 あすは韓国とのリベンジマッチ。昨年の悔しさを忘れていないからだろう。周囲が暗くなっても、パッティンググリーンでは日本代表の選手だけが、入念な調整を繰り返していた。


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