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2018.6.3

大山志保、独走・復活・ウルトラV

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第14戦『ヨネックスレディスゴルフトーナメント』大会最終日が6月3日、新潟県長岡市・ヨネックスカントリークラブ(6,422ヤード/パー72)で行われ、大山志保が2年ぶりの優勝を飾った。通算10アンダーの独走V。鮮やかな復活劇だった。2位タイは、通算6アンダーの勝みなみ、上田桃子、大出瑞月、木村彩子。(天候:晴れ 気温:24.6℃ 風速:1.2m/s)

 ツアー通算18勝目は、無限大の可能性を示すものだった。大山志保の圧勝。「私は今年、一発屋でもいいから、優勝したかった。1パーセントの可能性にかけて、夢がかなった気分。本当に夢のようです」とかみしめるように語った。まさに、執念。炎のラウンドだ。序盤から、エンジン全開。1番で5メートルのバーディーを決める。「同じ組の2人もドーンとカップイン。相当、気合を入れた。下りの難しいライン。私も、ここで置いていかれたらいけない。気合の1打。入った瞬間、これならと流れに乗って行けたと思います」と振り返る。

 前半、5バーディー、1ボギーと一気にライバルを引き離す。後半は、2バーディー、2ボギーのパープレーだったものの、危なげない内容。最終18番のプレー中も、涙をぬぐうシーンが印象的だった。「自分が、自分ではないような気分。感動して、いろいろなことが浮かんできた。これで優勝と思うと、よけいです」。

 大山は続けた。「首や背中が痛い。今年の1月までは立ち上がれないことがあった。歩くだけのリハビリからスタートしたわけですから…。もちろん、今も完治したわけではありません。18番で痛みが出てきた」と遠くを見る。「ゴルフと耳にするだけでも苦しかった。でも、一度はクラブを握ることができたにもかかわらず、2月下旬に痛みが再発。どん底です。引退という言葉がまわりからも出てきた。しかし、こんなに悪い状況でやめたくない。復活してからやめたいと言い聞かせ、何とかここまできました。技術面では去年よりも落ちている。だけど、つらい経験をたくさんしたことで、精神的に強くなった。復帰した時から、自分は精神力で勝負する-と誓ったぐらい」。

 41歳を迎えたシーズンである。今季のプレースタイルは、ひとことでいえば大吟醸。吟味をして醸す。プロ生活で築いたスイングを極限まで削った。体への負担を軽減して、6割のスイングを心がける。「今回ほど、キツい故障を乗り越えたことはありません。ひじを手術した時も大変でした。ところが、ひじは手術をすれば治ると前向きにいけましたからね。そういうわけで、今回の背中や首痛は、その日に大丈夫でも、次の日の朝、起きてみなければわからない。きょうも不安でした。ラッキーでも何でもいい。優勝できればいいな。そういう感じです」。

 今大会は3勝目だ。抜群の相性を誇る。「最初の20代は前週の試合、クラブ超過で8位。すごく悔しかった。それを跳ね返す勢いの優勝。30代の2勝目が、飛距離も出て、アイアンショットの切れ味。パッティングもチャンスにつけたら入るという感じでした。内容からすると一番」と振り返った。とはいえ、今回の優勝が最も感動を呼んだことは確かだろう。いみじくも、大山はいう。「皆さまの応援のおかげです」。

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