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2023.4.16

史上初ツインズV 岩井明愛がツアー初優勝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第7戦『KKT杯 バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)大会最終日が4月16日、熊本県菊陽町・熊本空港カントリークラブ(6,523ヤード/パー72)で行われ、岩井ツインズの姉・明愛が逆転V。1打差を追い、2位からスタート。13番で首位を奪い、通算7アンダーで待望のツアー初優勝を飾った。双子姉妹そろっての優勝は史上初の快挙。1打差の通算6アンダー、2位タイは穴井詩、野澤真央、申ジエが入った。
(天候:曇り 気温:19.4℃ 風速:7.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/3フィート コンパクション:23mm》

 歴史をつくる-と宣言し、歴史をつくった。岩井明愛が忍耐の逆転。史上初めて双子姉妹がツアー優勝を飾った。

 「ホッとしている。同時にうれしい。絶対、私も勝てると信じていた。きょうはスタートからホールアウトまで、緊張感をもってプレーすることができたことが大きい。以前の私なら、気持ちだけが先走り、前のめりになって、プレーが荒れていたかもしれませんね」。

 13番で単独首位に立った。コースには強風が吹き荒れ、ひとつのミスが命取りになる。ピーンと空気が張りつめた最終組のムードが見るものにも伝わってきた。1打差をキープして、最終ホールへ。18番、安全策をとる選択肢はなかった。2オンを狙いの攻めのスタイル。「バンカーと池の間を狙って打ったけど、ちょっと抜けてしまって…。残念でした。最後が格好良かったら、もっと試合は盛り上がった」といい、描いたシナリオを告白した。「2オン成功で、イーグル締め-です」。

 真顔で語ったところがいい。これも若さの特権だろう。そんな強気の一面があれば、涙もろいところも。「前週、第1日が中止になり千怜と劇場版・美しい彼をみにいって、涙が止まらなかった」と苦笑しながら漏らしている。プレースタイルから考えれば、意外だ。

 前半、首位を快走したのは申ジエ。一時は3打差をつけた。それだけに、勝因へあげたのは10番。残り125ヤードの第2打を9Iでピン手前2メートルへ運んだ。「スタート前から、ずっと勝つのは私、と思っていた。だから、後半はできるだけ早く、バーディーをとる。それが作戦」。

 ここでちょっとした変化がみられた。グリーン上で周囲を見回す。「今シーズンから、一点だけをみつめない。まわりを、きょろきょろするようにしている。ラインを読む際、一点集中では気持ちだけが前のめりに…。あまり気持ちが入りすぎると結果がよくない。きょうは4番などがそうだった」という。プロ3年目で大きく変わったのは精神面だった。

 2日連続、同組で優勝を争った申が印象を話した。「きのう、きょうとゴルファーにとって、タフなコンディション。忍耐力が試される2日間でした。そんな状況でも、岩井さんは常に我慢強くプレーをしていたことが印象に残ります。心からおめでとうといいたい。プレー中の経験こそ、プロの財産。これから、もっとチャレンジしてほしい」と祝福する。

 余談だが、優勝会見では中学時代のいたずらのエピソードが飛び出した。「今と違って、千怜と私は髪が長く、皆さんがどちらかわからない、と話していた。それなら、クラスを交換してみよう、となって、実行したことがある。でも、先生には気づかれて、おまえは誰だ、と怒られて…」。今になってみれば懐かしい思い出である。

 前年、妹の千怜は2週連続優勝を決め、全国区の知名度を得た。「周囲の方、知らない方からも早く優勝を-と私は言われ続けました。でも、そんな声援って、いやではありません。次週もがむしゃらに頑張ります」と、背筋を伸ばしながら宣言。

 一躍、スポットライトが当たる選手になった。「双子って、片割れが頑張ると、私も頑張る-となるんです。エネルギーがお互い満ちてきたでしょうね」。時の人になりつつあることを、五感を超える第六感が知らせている。

(青木 政司)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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