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2023.8.10

同学年の岩井千怜に続け 桑木志帆の狙いは初Vのみ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)

 前週の北海道meijiカップで単独2位となった桑木志帆。ツアー初優勝が近いと言われる選手の1人だが、「今週こそ」の思いを胸に抱きながら初日に臨む。

 実は2位に入ったとはいえ、前週はそれほどショットの調子が良くなかったと言う。「逆球が出たり、自分がどのようにスイングしていたのかも分からなかったんです」。しかし、今週の月曜日に約1カ月半ぶりにトレーニングを行ったことで、不調の原因が判明。「体の軸が左右にブレていた分、ミスの幅も広がっていたんだなと」。体の軸が横に動くことで、スイング軌道にもブレが生まれ、スイングリズムやインパクトでボールをとらえるポイント、タイミングに誤差が生まれていたのだ。約2時間半のトレーニングを行ったことで体幹の使い方を思い出したのか、体の軸が左右に動くことも抑えられるようになった。

 今週に入って気付いたことがもう一つ。現在はフェードヒッターの桑木だが、昨年まではドローヒッターだった。その名残でどうしてもスタンスや体のラインが右を向いてしまうクセがあった。「それが原因でボールを右に打ち出したり、引っかけが出ていたりしたんですよね」。練習ラウンドで修正したところ、逆球が出る不安も消すことができた。

 今大会は昨年、桑木と同学年で仲のいい岩井千怜がツアー初優勝を飾っている。最終日は、岩井を応援するために自分のラウンドを終えると、すぐに岩井の組へ駆け付けた。「すごく楽しそうにプレーしていたことが印象に残っています。もちろん、優勝したシーンに刺激をもらいました。いつか自分もと」。桑木にとって本気で優勝を意識するようになった瞬間かもしれない。

 今大会で丸1年が経ったわけだが、この1年間で桑木自身も大きく成長。昨年は2回しかなかったトップテンの回数が今季は5回に増えた。そのうち1回はプレーオフで敗れた資生堂レディスの2位であり、優勝が手に届くところにあると実感できた。

 今季の目標は昨年あと一歩のところで届かなかった(2022年メルセデス・ランキング51位)シード権の獲得だったが、現時点で788.64ポイントを獲得しているためほぼ確定したと言っていい。となれば、次のターゲットは初優勝と最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップへの出場権だ。「今季を振り返るとこんなに上手くいくとは思っていませんでした」という桑木だが、ここまできたら一挙両得を狙うしかない。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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